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ため息俳句56 春の草

  春の草つくしたんぽぽほとけのざ


桜ばかりに気を取られるこのごろであるが、目を下ろしてみれば、道端も春の野草が頭をもたげるやら花開くやらしている。
昨日の散歩では、今年初めての土筆を見つけた。仏の座やたんぽぽの花に混じって小さく群れてはえているのだが、土筆はその色からして案外見過ごしてしまうのだ。
実を云うと、土筆というものを食べたことがない。多くの俳句作品で土筆と云えば「摘む」であり、そうであれば食したのであろう。このことが似非風流を志す自分としては、長年気にかかってきたので、ひとつこの春には自分の手で調理してみようかと思う昨日の昼下がりであった。


  今年こそ食うてやるぞよ土筆ども


  野にありて顔見世の体タンポポは


  すかし見る赤城の山やほとけの座