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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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#ジャズ

渡辺貞夫 - California Shower(1978)

渡辺貞夫 - California Shower(1978)

78年は爽快フュージョンの当たり年だと考えているのですが、個人的にはその最高峰が本作です。前作はオータムブローはリーリトナーのジェントルソウツをバックにしていますが本作では前々作My Dear Lifeとほぼ同じ若手から中堅のメンバーと再びタッグを組んでの録音になります。

渡辺貞夫:アルトサックス、ソプラニーノ、フルート
デイブグルーシン:ピアノ、エレピ
リーリトナー:ギター
チャックレイニー:

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Quincy Jones - The Birth Of A Band Vol.2(1984)

Quincy Jones - The Birth Of A Band Vol.2(1984)

 本作はThe Birth Of A Bandからもれた未発表曲集。最近の未発表曲集というとオリジナルアルバムと抱き合わせの場合が多いですが、未発表曲まで買う人なんてだいたい好きですでに持っている場合が多くて無駄ではないかと感じてしまいます。なのでこうして未発表分だけバラで出してもらえるのはありがたいです。これが販売された80年代のクインシーというとブラコンプロデューサーとして売れっ子だっただけに

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Freddie Roach - Mo' Green Please(1963)

Freddie Roach - Mo' Green Please(1963)

もっと玉ねぎを頂戴。そんなタイトルが前年にでたブッカーT&The MG'sのグリーンオニオンを意識していたのかは分かりませんが、内容のほうはフレディローチというオルガン奏者の個性が詰め込まれており誰かを意識しているとかとは無縁の世界です。フレディは教会でオルガンを弾き、次第に芸能の世界へ。ジャズはもちろん顔立ちの良さを生かして舞台俳優をしたり文才もありライナーを自分で書いている他、本を書いたことも

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Lena Horn - Lena & Michel(1975)

Lena Horn - Lena & Michel(1975)

作曲家、ピアニストとして有名なミシェル・ルグラン。ハードバッパーを多数動員したルグランジャズもフィルウッズのイメージズもジャズらしさ力強さやリズムをそこなうことなく気品ある柔らかいアレンジを施したアルバムもI Will Wait For YouやWhat Are You Doing Rest Of Your Life をはじめとした自作曲も切なさと美しさが共存しかつ気品を感じて好きです。またまれに

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Jazz Crusaders - Lighthouse'69

Jazz Crusaders - Lighthouse'69

ジャズクルセイダーズの69年のライブ盤です。名義はまだジャズクルセイダーズですがピアノはアコースティックと電気を半々で使っておりリズムも8ビートがメインになっています。ここまではよく言われることですがジャズクルセイダーズとクルセイダーズの違いとしてもう一つ選曲があります。ジャズ時代はカバーが多く本作も8曲中4曲がカバー、3曲がメンバーのオリジナル、1曲がサポートメンバーのバスターウィリアムズの曲と

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Ray Charles - S,T(1956)

Ray Charles - S,T(1956)

レイチャールズの記念すべきアトランティックでの一作目。アトランティックのレイはあらゆるジャンルの音楽を飲み込み自分の物とする勢いに溢れていました。もちろんABC移籍後のカントリーやスタンダードを歌うときの胸を打つ歌唱、80年代以降の歳を重ねることによって生まれた滋味あふれる歌唱もまた違った良さがあっていいのは言うまでもありません。本作は移籍後すぐの52年から56年の録音をまとめたものでナットキング

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Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)

Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)

ウェスの名を一躍轟かせた一枚です。本作の録音は1960年1月26日と28日で、1月25日と27日にはナットアダレイのワークソングが録音されています。ただしメンバーは大きく異なりトミーフラナガンにヒース兄弟という数々の名盤を支えた3人が顔を揃えています。トミーはインタビューにてウェスをいつも腰が低く気を使っていた。オリジナルの譜面を持ってきていた。と語っていますが彼は楽譜が読めなかったのでおそらく気

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Dinah Washington - Newport'58

Dinah Washington - Newport'58

本作はドキュメンタリー映画「夏の夜のジャズ」で映像化されているダイナワシントンの58年のライブです。ジャズシンガーであるものの強いブルースフィーリングを売りにした迫力のある声はブルースはもちろんホットなジャムセッションにもよく合います。リズムセクションだけでなくホーンやヴァイブ二人まで全員がリーダー作を作れるビッグネームをそろえてホットなジャムセッションが繰り広げられています。

メンバー
ダイナ

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Shirley Horn - With Horn(1963)

Shirley Horn - With Horn(1963)

本作はシャーリーホーンのマーキュリーでの2ndアルバムです。演奏はクインシージョーンズオーケストラ(詳細は不明)となっていますがクインシー、サドジョーンズ、ドンセベスキー、ビリーバイヤースの4名が編曲を担当しています。クインシーとサドはモダンなスウィング、ドンはポップより、ビリーはモダンとスウィングの中間と編曲の違いを楽しめます。

既に書いたとおり誰が演奏しているのかは不明ですが時期を考えるとB

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Shirley Horn - Loads Of Love(1963)

Shirley Horn - Loads Of Love(1963)

シャーリーホーンは80年代のアコースティックジャズ復活時代に弾き語りスタイルのアルバムを何枚かリリースし、滅多にサイドマンにならないマイルスデイヴィスがゲストとしてトランペットを吹いたことでも話題になりましたが実は彼女のデビューは60年代。本作は3枚目のアルバムになります。ただ子供を育てるために地元のクラブに出るのみの半引退状態に。子供が結婚してから完全復帰して前述のような活躍をします。本作をリリ

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Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

本作はレスマッキャンの66年シアトルでのライブと67年ニューヨークでのライブをまとめたもの。構成的には2枚組のライブインシアトルと1枚組のライブインニューヨークをカップリングしたような感じ。生産は最近いい音源を多く発掘しているレゾナンスでここの会社らしい愛とリスペクトを感じる丁寧なつくりとなっています。ノラジョーンズがお気に入りとしてこの作品を紹介していたので欲しくなって購入しましたが2時間に渡っ

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Mulatu Astatke - Ethio Jazz

Mulatu Astatke - Ethio Jazz

エチオピア。コーヒー発祥の地であり、歴史的には古代に伝来したキリスト教が未だに信仰されているアフリカでは珍しい国です。レゲエ好きの方にはラスタ信仰で神格化されているハイレセラシエ一世が統治した国として知っているかもしれません。そんなエチオピアを代表するミュージシャンがムラトゥアスタトゥケ(アスタケ)。僕は彼のことは詳しくないので細かい解説はできませんがスピリチュアルかつファンキーなサウンドは知識が

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Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

本作はサックス奏者エディハリスのベーシストだったメルヴィンジャクソンの唯一作です。彼はウッドベースを使いますがリーダーに触発されたのか本作ではアンプに各種エフェクターをつけて前衛的かつストレンジなサウンドを作っています。さらにバックにはチェスのセッションミュージシャンとアートアンサンブルオブシカゴのメンバーの共闘。ファンキーさと前衛さがいい具合にミックスされたこの時期のシカゴジャズらしい一枚です。

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Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

Arnett Cobb - Chittlin' Shout(1971)

ジャズ界にはテキサステナーという人がいます。彼らは皆テキサス出身でそのプレイはベンウェブスターやイリノイジャケー、ジーンアモンズから影響を受けており豪快でブルージー、バラードではメロディを美しく歌い上げるスタイルを得意とし、その演奏はテキサス出身でない人物にも影響を与えています。またその演奏はジャズだけにとどまらずブルース、ソウルやロックでもその演奏を聴けます。有名なテキサステナーは今回紹介するア

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