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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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2023年2月の記事一覧

Cannonball Adderly. Them Dirty Blues(1960)

Cannonball Adderly. Them Dirty Blues(1960)

タイトル通りのブルースフィーリングに溢れた本作はブルージーでファンキーなキャノンボールを聴きたい時にピッタリの一枚です。本作はニューヨークとシカゴの2つの町で録音されたり録音中にメンバーが変わるなどややこしい経緯を持つ一枚でセールスは振わなかったものの今では代表作に数えられる一枚です。

メンバー
キャノンボールアダレイ:アルトサックス
ナットアダレイ:コルネット
ボビーティモンズ:ピアノ(1〜5

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Nancy Wilson / Cannonball Adderly Quintet (1962)

Nancy Wilson / Cannonball Adderly Quintet (1962)

本作はあまりジャズの入門として紹介されることもディスクガイドに掲載されることもないアルバムですが(個人的な意見ですが大名盤よりこういう少しマイナーなアルバムの方が聴きやすいものが多いように思います)ボーカルとインストが交互に並べられた構成、長すぎない演奏時間(特にアドリブ)、聴きやすいサウンドとジャズの初心者向きでない点が全くない入門盤におすすめな一枚です。主役のナンシーウィルソンは元々R&Bシン

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Madlib. Shades Of Blue(2003)

Madlib. Shades Of Blue(2003)

ジャジーヒップホップブームが起きるとブルーノートレコードは自分のカタログを使ったジャジーヒップホップの制作を計画します。白羽の矢が立ったのがDJのマッドリブ。彼はリリースされたレコードはもちろん未発表の音源やこのために録音した曲を組み合わせて制作されたのが本作です。選曲もLA時代のフュージョンが中心でラップがほとんどないのでクールで聴きやすく(ヒップホップ自体は嫌いではないですがラップは好きになれ

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Herbie Hancock.  The New Standard (1996)

Herbie Hancock. The New Standard (1996)

ジャズでスタンダードナンバーと言うと普通は戦前から1950年代くらいまでのポップスやミュージカル、映画の挿入歌が一般的です。しかし本作はニュースタンダードというだけあって1960年代以降のロックやR&Bばかりの選曲です。ここから新たなスタンダードナンバーはあまり生まれませんでしたがいいアルバムであることには変わりありません。

メンバー
ハービーハンコック:ピアノ
マイケルブレッカー:サックス

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Boz Scaggs. Moments(1971)

Boz Scaggs. Moments(1971)

70s後半にAORシンガーとしてヒットしたボズスキャッグス。71年制作の本作ではAORは影も形もなく当時ボズがいたベイエリアらしいソウル、ファンク、ラテンにこの頃出来立てのSSW風のサウンドをミックスしたサウンドです。

メンバー
ボズスキャッグス:ギター、ボーカル
デイヴィッドブラウン、ビルアトウッド:ベース
ジョージレインズ:ドラム
ダグシムリル:ギター、キーボード
ジョアヒムヤング:キーボー

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Milt Jackson Quintet. That’s The Way It Is(1969)

Milt Jackson Quintet. That’s The Way It Is(1969)

インパルス時代のミルトジャクソンの特徴としてベーシストのレイブラウンとの共同制作が挙げられます。2人とも器用でありながら根はブルースでありその演奏はソウルフルです。本作はそんな2人が自分に勝るとも劣らないソウルフルなミュージシャンをバックにしたライブ盤です。

メンバー
ミルトジャクソン:ヴァイブ
レイブラウン:ベース
テディエドワーズ:テナーサックス
モンティーアレキサンダー:ピアノ
ディックバ

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「ジャズじゃないけどジャズ 」Sabu.  Palo Congo(1957)

「ジャズじゃないけどジャズ 」Sabu. Palo Congo(1957)

本作はブルーノートからのリリースですがジャズではなく本場のラテン音楽です。リーダーのサブーマルティネスは18歳でディジーガレスピーのバンドに加入。ブルーノートレーベルにはアートブレイキーとの共演がブルーノートに残されています。その後は北欧に移住しレアグルーヴとして人気のアルバムをいくつか録音しています。一般的なラテンジャズを期待して聴くとあまりの違いに驚きますがこういうスタイルもジャズになるあたり

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「達人のご機嫌ソウルジャズ」Pat Martinio .  EL Hombre (1967)

「達人のご機嫌ソウルジャズ」Pat Martinio . EL Hombre (1967)

本作はギタリストのパットマルティーノの1stアルバムで録音時からはわずか23歳という若さです。この歳で完成されたパットのギターはもちろんですがプレステッジらしくソウルフルでいなたいバッキングもかっこいいです。

メンバー
パットマルティーノ:ギター
トゥルディーピッツ:オルガン
ダニーターナー:フルート
ミッチフィン:ドラム
ヴァンスアンダーソン:ボンゴ
アブドゥジョンソン:コンガ

Waltz

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「LA特急発車」Tom Scott &The LA Express. S,T (1974)

「LA特急発車」Tom Scott &The LA Express. S,T (1974)

LAフュージョン1のサックス奏者トムスコットが初めてLAエクスプレス名義でリリースしたアルバムです。74年ということでまだ彼のトレードマークのリリコンは登場していませんが荒々しいグルーヴはとんでもなくかっこいいです。またストーンズのスティッキーフィンガーズに似たジャケットも印象的です。

メンバー
トムスコット:サックス、フルート
マックスベネット:ベース
ラリーカールトン:ギター
ジョーサンプル

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Herbie Hancock .Perfect Machine (1988)

Herbie Hancock .Perfect Machine (1988)

ビルラズウェルとタッグを組んで制作した3作目で最後のアルバムが本作です。ジャズやフュージョンの要素はほとんどなくテクノやエレクトロファンクのような一枚です。ハービーはこのアルバムにいい印象がないらしく本作制作後CBSと契約の再更新をせずビルラズウェルと距離を置くことになります。

メンバー
ハービーハンコック:キーボード、ヴォコーダー
リロイシュガーフット:ボーカル
ジェフボヴァ:シンセサイザープ

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「セルメンの弟分」Bosse Rio. S,T (1969)

「セルメンの弟分」Bosse Rio. S,T (1969)

ボサリオは1969年にセルジオメンデスが自身のバンドの弟分として作ったバンドでセルジオメンデスがブラジル時代に率いていたボサリオセクステットが名の由来です。サウンドはブラジル66のようなボサノヴァ色の強いポップグループですがストリングスや外部ミュージシャンをあまり起用しないシンプルかつクールなスタイルです。本作をリリースした後、大阪万博でセルメンと共にライブを行いましたがそのあとすぐに解散してしま

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Herbie Hancock.  Speke Like A Child (1968)

Herbie Hancock. Speke Like A Child (1968)

本作を作る時ハービーはマイルスデイヴィスのアルバム「マイルスアヘッド」でのギルエヴァンスのアレンジを意識して制作したといいます。またジョーザヴィヌルのアドバイスも受けていたようです。後にマイルスバンドに参加し、フュージョン界を牽引していく2人がこの頃から親交があったのは驚きです。丘の上でキスをする2人はハービーと彼の妻です。

メンバー
ハービーハンコック:ピアノ
サドジョーンズ:フリューゲルホー

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Herbie Hancock.  Takin’ off(1962)

Herbie Hancock. Takin’ off(1962)

本作はハービーハンコックの1stアルバムです。このアルバムを制作した当時ハービーはまだ駆け出しでトランペット奏者のドナルドバードに面倒を見てもらっていました。ハービーは彼のアドバイスに従って「徴兵された」とブルーノートを騙し?制作が決定したようです。

メンバー
ハービーハンコック:ピアノ
デクスターゴードン:サックス
フレディハバード:トランペット
ブッチウォーレン:ベース
ビリーヒギンズ:ドラ

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