2023年のお気に入り作品
今年はなんとか年内に公開できました。「今年、特に堪能させてもらった作品」の発表です。
2022年度は一ヶ月以上経ってようやく公開したのですが、
なにより自分の備忘録としてとても役に立ちました。
https://note.com/mizn/n/n7c2320a19b51
すごく気に入った作品であっても、時が経つと次第に忘れてしまいます。
それらをスマホからすぐに閲覧できる「インデックス」としてとても便利でした。
昨年の作品ですら便利なのですから、今後5年10年と積み重なっていくと、非常に役立つな…と思い、これから年末の定例としたいなと考えています。
では、2023年、私が深く印象に残った作品たちを、記憶をたどりつつ紹介していきます。
■総括
と言いつつ、まずは全体の総括から。
生活環境が若干変わったせいもあるのか、今年最も接触機会が多かったのはPodcastでした。
これが2023年のコンテンツ鑑賞における個人的最大のトピックかもしれません。
それと双璧をなすトピックとしては、、
漫画を純粋に楽しめなくなってしまった
ということでしょうか。。
仕事でも個人活動でも、どっぷり漫画制作に打ち込める一年間となった証しでもあるので、致し方ない部分はあるのですが、
精神衛生上はどうなのだろう…と考えてはしまいます。
何よりの癒しである漫画が楽しめないというのは、結構よろしくない。
しかしながら、2024年はきっとさらにこの傾向は強まる気がします。
やりたい仕事や活動ができているからこそ、
と思って感謝をするべきではあるのですが。
そんなつぶやきを挟んで、今度こそ
2023年、私が深く印象に残った作品たちを紹介していきます。
■映画
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
昨年の『Coda コーダ あいのうた』に続き、今年も一番楽しませてもらったのはアカデミー賞受賞作です。
作品賞含む8部門受賞という快挙。
の割に、日本ではいまひとつ話題にならなかった気がします。
社会問題をエンタメに昇華した作品(もしくは、エンタメと社会問題を巧みに組み合わせた作品)が王道を突き進むという点で、アメリカのエンタメ界の底力を感じさせる作品でもありました。
『怪物』
「是枝裕和さん監督×坂元裕二さん脚本」で私が期待していたことを
まさに満たしてくれるような作品でした。
うかつに感想を言葉にすると本質がこぼれ落ちてしまいそう
そんなふうに感じさせてくれる作品でもありました。
■書籍
冒頭にも記したように、2023年はどっぷり漫画制作に打ち込める一年間だったことが、本の選び方にもかなり影響していました。
「資料」として選んだ本が相当数あります。
そのため、純粋な興味関心から手にした本があまり多くなかったな…という印象です。
そんな中でも至福の読書時間を与えてくれた本を挙げていきます。
『書籍修繕という仕事 〜刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる』
ジェヨン(原書房)
アメリカの大学院で書籍修繕の魅力に目覚め、ソウルに帰って書籍修繕店を開いた女性によるノンフィクションです。
綴られるエピソードが素敵なのはもちろんのこと、
この書籍自体がとても大切に作られていることが、本の隅々にまで行き渡っています。
だから紙の本は素晴らしいんだ、
そう体感させてくれる一冊です。
『ハリウッド映画の終焉』
宇野維正 (集英社新書)
ポップカルチャーの最前線を追い続けている著者が、2020年代に入ってから公開された16本の作品を通して、今、映画界で何が起こっているかを詳らかにしていく意欲的な一冊です。
ここに記されていることはとてもシビアで、暗澹たる気持ちにさせられるところも少なからずあります。
それでもポップカルチャーに関わる端くれとして、大いに意欲をかき立ててくれる本でもあります。
■漫画
『ルリドラゴン』
眞藤雅興(集英社)
『よつばと!』を彷彿させる、ゆるやかな時間の流れと、やわらかな人物描写、
それでいて、ちゃんと「ジャンプ漫画」しているのが本当に見事です。
ダイバーシティといった昨今の社会課題にも適っている傑作だと思います。
…と書いていて気づきました。
上の映画欄で、
エンタメと社会問題を巧みに組み合わせた作品が、アメリカでは王道を突き進む
といったことを記しましたが、
日本では漫画でそうしたことが成立していますね。
すごいな、日本の漫画。
僕も頑張ります。
そしてもう一作品はこちらです。
『転がる姉弟』
森つぶみ(ヒーローズ)
昨年も挙げた作品ですが、今年発売された5巻もやっぱり素晴らしかったです。
やわらかで温かな雰囲気で包みこまれ、
魅力的な登場人物にクスリとさせてもらえつつも、
老若男女のほろ苦い人生も描く、
類稀な傑作だと思います。
昨年も記しましたが、
サザエさん、ちびまる子ちゃん、クレヨンしんちゃんに並ぶ
国民的家族アニメになってほしいと願ってます。
■音楽
2023年に一番驚かされた曲(MV含む)はこちらです。
PinkPantheress, Ice Spice - Boy’s a liar Pt. 2
TikTokでの数々のバイラルヒットで注目を集めるイギリス出身のシンガーPinkPantheress (ピンクパンサレス)が、ニューヨーク出身のラッパーIce Spice (アイス・スパイス)とコラボした一曲ーー
つまりは、「昨今のビルボードのど真ん中」なわけです。
そこにK-POPからの影響が如実に現れていることに衝撃を受けました。
BTSがビルボードを席巻したというニュースを聞いた時は、
「アメリカの人種比率が変わったことが主要因だろうな」と思っていました。
が、このPinkPantheressのMVを観たことで認識を改めさせられました。
KAN 「めずらしい人生」
KAN 「すべての悲しみにさよならするために」
11月12日、享年61歳で永眠されたKANさんの名曲です。
私が大学時代によく聴いた2曲で、
ちょうどその週末、大学時代を過ごした京都に滞在していたこともあり、
ホテルで何度も何度も繰り返し聴いていました。
ap bank fesでのライブパフォーマンスも魅力的でした。
ご冥福をお祈りいたします。
■Podcast
音声メディアが盛り上がっているのは耳には入っていましたが、視覚優先の性質ゆえ、これまであまり気にしていませんでした。
でも、いざどっぷりPodcastを楽しむようになると、「こんな優れたメディアあったんだ!?」というくらいハマってしまっています。
興味深いのは、Podcastを聴いたことで、その人となりに好感を持つようになった方がたくさんいるということです。
YouTubeで観たことで関心を強めた人は多くいますが、
好感度が上がった人はほとんどいないことと比較すると、
音声メディアの可能性を強く感じさせられます。
中でも好んで聴いていたのはこちらです。
Off Topic
草野美木さんと宮武徹郎さんが、米国を中心とした最新テックニュースやビジネス情報を親しみやすい雰囲気で届けてくれます。
1時間を超えるエピソードも多いですが、刺激的な内容が続くので全く長さを感じさせません。
News Connect あなたと経済をつなぐ5分間
毎日のエピソードはもちろんのこと、
日曜日に塩野誠さんとともに、1週間のニュースを雑談も交えながら、振り返っていく「ニュース小話」がとても面白いです。
『WIRED』日本版
テクノロジーの最先端を取り上げながらも、その負の側面にも向き合っている姿勢がメディアとして尊敬に値します。
■YouTube
2022年から東京藝術大学で研究生をすることになったことも関係して、アート関係の動画をよく観ていました。
アート情報の収集に関しては、何よりYouTubeが一番適しているメディアかもしれません。
有名どころとしては
山田五郎 オトナの教養講座
が実に勉強になります。
そのほか、以下もおすすめです。
サイトウミュージアム
「アートと出会う」現代アート専門番組【MEET YOUR ART】
チャンネルではないですが、こちらの岡田斗司夫さんの意見も非常に興味深いです。
■テレビ
上述通り、どっぷり漫画制作に打ち込める環境になった分、
漫画を純粋に楽しめなくなってしまってしまいました。
何よりの癒しである漫画が楽しめないというのは精神衛生上、結構よろしくない。
その逃げ道としてか、テレビでは単純に頭を空っぽにできるものを好んで観ていた気がします。
リアルタイムで観ることはほぼないので、録画されていると嬉しくて真っ先に再生ボタンを押すのが
『あちこちオードリー』『伊集院光&佐久間宣行の勝手にテレ東批評』でした。
M1、キングオブコントは今年も熱かったですね。
松本人志さん騒動で来年は大きく変わったりするのでしょうか??
そのあたりも2024年の動向が気になります。
■スポーツ
井上尚弥選手は今年も文句なしに凄かったですが、
私が一番注目しているのは、やっぱり寺地拳四朗選手。
2022年の王座返り咲きと、京口 紘人との2団体統一戦も見事でしたが、今年の2度の防衛戦も素晴らしかったです。
WBA・WBC世界ライトフライ級 タイトルマッチ 統一王座防衛
寺地拳四朗 vs アンソニー・オラスクアガ
寺地拳四朗 vs ヘッキー・ブドラー
2024年も井上尚弥選手と寺地拳四朗選手が牽引する日本のボクシング界は、すごいことになるでしょうね!
あと、FIBA バスケットボール ワールドカップ 2023も面白かったですね!
今年もざざっとですが、2023年に特に気に入った作品たちを挙げてみました。
2023年は、これまでの数年間で準備してきたことが
着々と芽を出し始めた一年間でした。
やっと動かし始められた、という感じの取り組みが多かったこともあり、
まだ「成果」「達成」といえるところまでは辿り着けていません。
2024年は、それらをしっかりと実らせていきつつ、
新たな種も着々と仕込んでいきたいと思っています。
2024年もたくさんの傑作と出会えますように!