![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160790793/rectangle_large_type_2_92d40b7de8f992a612165d62070d15f9.jpeg?width=1200)
『僕と私の遠い橋』 玉造小劇店
2024年10月9日(水)14時半
@下北沢ザ・スズナリ
¥4,500
わかぎゑふさんの書くお話は面白い。
んだけども情報収集を怠っていて、いっこ前の公演は気づかずスルーしてしまった。それもめちゃくちゃ好きな『お祝い』の再演!! うっわ観たかった~~
とりあえず今回はギリギリで気づいたのでラッキー。メール予約でセンター希望したと思ったんだけど、当日行ってみたらいっっっちばん端っこやった。あれ~
ま、いっか。観られるだけもうけもん。
<おはなし>
人間は12回生まれ変わるという。最初に登場するひとりの少女(のような者)は今までに10回生まれ変わったが、一度も満足の行く人生を歩めなかったと語りだす。「いつも身体と心が一致していないような感覚のまま過ごしてしまった」と感じているのだ。
ある日、天界で偶然出会った阿弥陀様に「次に生まれ変わるときにはそれが解消できるでしょうか?」と問うと、阿弥陀様が「今まではどうだったのだ?」と聞いてくるので、少女は自分の10回の人生を見せることにする。
11人の俳優が少女が過ごしてきたあらゆる時代の人生を舞台上で紙芝居のように100分で駆け抜ける大人の寓話劇。果たして少女の答えは出るのだろうか?あと2回生まれ変わる人生は?
ふっこさん(わかぎゑふさんの愛称)が昔から気になっていた、一人称についてのお話。アタシも常々おもっていた「日本語の一人称、多過ぎじゃね?問題」、やっぱ物書きの人は気になるよねえ。これは楽しみ! だけど「おはなし」を読むと、はてこれと一人称がどう繋がるんだろう?
・・・と疑問に思ったが・・・ふうんむ、そうですか・・・という感じ。
ふっこさん自身が変な話だと言っていたけど、変というか、テーマとストーリーが浮いちゃって絡んでないような。ギャグたっぷりで大笑いするところは多いんだけど、観終わった後の満足感はいまひとつ。
笑って笑って、ちょっぴり涙して、最後はしっとりと胸にせまる・・・いつもならそんなお話が多いんだけどな。
一人称の違いで、それを発した人の背景の多くが描ける。けれどそれはその人を縛る枷になっているのではないだろうか。という視点はなるほどと思った。
私、僕、俺、うち、ワテ、儂、自分、おいら、身共、吾(あ)・・・
性別や性格、身分や職業などを想起させる“役割語”なる言葉があるそうだ。興味深い。そういった話す言葉で自分自身を限定しているという可能性。
輪廻転生で自分の身体と心のズレをを考え、最後はジェンダー論にまで発展していく。深い。でも何かうわっ滑りしてる感があってもったいないなあ。いやホント、面白かったんだけどね。
逆にめちゃくちゃポップにギャグのめしてるから、深さが感じられないのかも。こういう笑い、アタシがあんまり得意じゃないからかも。
この物語を書くきっかけは、“ヴァーチャル日本語 役割語の謎”という本を読んだことだそうで、著者の金水敏先生という言語学者がふっこさんと親しいらしい。パンフにも寄稿されているというのでまんまと買っちゃった。“役割語”という言葉を作った方だそうな。金水先生の著書、気になるので読んでみたいな~~(読む読む詐欺になりそ。過去の観劇で気になった本が積ん読になってるのよ・・・)とりあえず図書館で探してみるか。
いいなと思ったら応援しよう!
![深月](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/23262713/profile_599d2dac19163195b1832b34e41e84c6.jpg?width=600&crop=1:1,smart)