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他人のスマホはパンドラの箱〜スモールワールズを読んでみた

みゆです。

最近はすっかり小説読みとはご無沙汰しています。
本を読む事は大好きです。前は小説もエッセイもノンフィクションもいろいろな本を読んでいました。
今は、言い訳がましく言うと、時間がなかったり、気分が乗らなかったりで。読む本は占いの本や、実用本だったりなのです。

そんななか、久しぶりに小説を読みました。なんて事を言っていますが、この本は結構前に読み終わっていました。それを今更ながら感想文を書いてみます。やっと、感想文の言葉が降りてきました。

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この本は、6つのお話からなる短編集となっています。これも、今の私にとっては取っ掛かりやすいものでした。いきなり長編小説だと、ちゃんと最後まで読めるかどうか心配だったからです。
そんな心配は杞憂で、ページを開くと私はすぐに本の世界に入っていきました。

どれも良かったのですが、私のツッコミが入ってしまったのは1つ目のお話、「ネオンテトラ」です。今回は、このお話の感想文を書きます。

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ネオンテトラ

このお話の主人公はモデルの美和。美人でスタイルも良く、エリートの夫もいるし、マンションだって義理親に買ってもらっています。何不自由のない生活だけど、1つ足りないものがありました。それは、子供。結婚して8年が経っても赤ちゃんを授からなかったのです。

そして、もうひとつ美和を悩ますもの。夫の貴史の浮気です。職場の若い子と浮気をしているんです。なぜ知っているかというと…。それは、貴史のスマホを見ているから。スマホのロックは、寝入っている貴史の指をスマホに当ててロックを解除するんです。
ああ、怖いですね。他人のスマホなんて見るもんじゃないのに。

自慢じゃないけど、私は他人のスマホ(今の生活なら夫氏のね)なんて見た事ありませんよ。まぁ、私も見られたくなんてありませんから。干渉はするのもされるのも嫌いですしね。スマホを見る時は、もう決意して証拠を集めようと思う時だけです。安易に見るものではないと思っています。

思った通り、スマホの中には彼女とのやり取りが。しかも自分の悪口めいた事まで。ほら、言わんこっちゃない。知らなかったら、無かった事と一緒なのに。そんなもの、見てしまったら、悲しいし腸が煮えくり返っちゃいますよね。

そんなある時、マンションのベランダから親子を目撃する美和。父親に激しく叱責される息子。その子は姪の有紗のクラスメイトの笙一。有紗に笙一の事をあれこれ聞き、彼の事を案じます。彼は、父親から虐待を受けていたのです。
ふらりと出掛けたコンビニで笙一を見かけます。そして、時間を潰すためにコンビニにいる彼のために唐揚げを差し出します。
その日以来、コンビニでホットスナックを買ってあげ、話をするようになるのです。

中学生とどうにかなりたい訳じゃないんですよね。でも、家庭環境の悪い笙一が気になるのです。さらに、自分自身も様々な満たされないものを抱えています。コンビニという日常の中の、ほんのちょっぴりの非日常の空間で顔を合わせているうちに、なんとも言えない感情を抱くようになるのでしょうね。

実生活では長いこと務めた雑誌のレギュラーから卒業する事になったり、貴史は出張にかこつけて浮気旅行するわでなんだかなぁって感じです。卒業って、要はもうアナタいらないからって事だし、夫は夫でしれっと浮気旅行に行くわで。雑誌の事はしょうがないにしても、浮気の件はねぇ。スマホなんて見るから。スマホなんて覗き見してモヤモヤするんだったらお別れしたらいいのに。なんて思う私は、冷たいのかな。

そういう時に、事件が起こるんです。
いつものように、笙一とコンビニで会って外に出たら。彼の母親と一悶着起こるのです。その後、つい彼を自宅に上げてしまいます。だけど、初めてきた家なのに慣れた風なのがちょっと気になるものの。
ふとした事から泣いてしまった美和とちょっといい雰囲気になっちゃう。その証拠にドキドキを胸じゃなくて、お腹で感じちゃったから。その時は、彼の子供が欲しいと思ってしまったんです。理屈じゃなくて。結局、彼とは何にもなかった訳だけど。

だけどね、だけど。
予定外で早く帰宅した日に美和は目撃してしまうんです。何をって?自宅マンションで、笙一と有紗が交わっている所を。前から、そうやって来ているから慣れていたんですね。
そんなだから、有紗は妊娠しちゃうのです。
もうね、そういう事するんだったら、ちゃんとする事しろよーって大人の私は思いますけどね。もうどうする事もできなくなった頃美和は動くのです。

ほんと、策士なんです。怖くなるくらいに。

有紗の赤ちゃんを自分の子供として育てる事にします。そして、有紗は実家ごと県外に引っ越しさせ。貴史に離婚を突きつけ。離婚は嫌だという夫に自分の意見を飲ませて、自宅も引っ越しさせます。もちろん、浮気相手とは手を切らせて。

赤ちゃんは女の子で、すくすくと成長していきます。貴史は前とは大違いの子煩悩で家庭的な父親になるのです。もちろん、産みの母には会わせず、幸せな日々を送るのですが。

しばらく経った頃、有紗から笙一が死んだのだと連絡が入ります。事故に遭ってしまったのです。

これで、全てが終わったんですよね。

娘のほんとうの父親は死んでしまった。一番星になってしまった。って思いには駆られたみたいだけど。
たまに夜空を見上げて、一番星を見た時に笙一を思って多少は感傷的な気持ちにはなるのでしょうけど。それでも、娘の良き母親として生きていくのでしょうね。父親として生きている夫とずっと続いていくのかは分かりませんが。

なんか、私、この話を読み終わってスッキリしないんです。なんでだろう。なんか、モヤモヤとして引っ掛かるのです。そりゃ、最終的にはみんながwinwinで収まるところに収まった感じです。だけど、ね。
モヤモヤとしたものを抱えて生きていくのが大人のやり方なのかな?こんな事に引っ掛かる私は青臭いのかな?なんて事を考えるのです。
そもそも、他人のスマホなんて見てるからじゃんって。他人のスマホばっか見るくらいなら、とっととお別れしたらいいじゃんって。そう思ってしまってやまないのです。

他人のスマホはパンドラの箱なのです。
見るのだったら、覚悟を持って。
全ては、自己責任なのです。
何が起こっても、知らないよ。


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他のお話についてはタイトルのみで。

魔王の帰還

ピクニック

花うた

愛を適量

式日


久しぶりの小説読みは、やっぱりとても楽しいものでした。
読書っていいですよね。そんな感覚、忘れかけていました。実は、興味があって買ったものの積んでいたり、某Amazonでダウンロードしっぱなしで読んでいない本がたくさんあるんです。少しずつ読んでいかなくちゃねぇって思っています。
アウトプットするためには、インプットも大事ですものね。今年はできるだけ、読書しますっ!


今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪



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