飲食店の下ごしらえ
飲食店によって
どこまで下ごしらえをしておくかは違ってくる。
それは、飲食店として
どこまで食材と向き合っているか
にも繋がることだ。
その食材が大切であれば
活かせるように工夫し調理する。
もちろん、色々な店があって
みんな違ってみんないい
という気持ちではいる。
それぞれのお店で
工夫しながらやっていくことだよね。
下ごしらえをするという事は
オペレーションをスムーズに運ぶため
お客様をお待たせしないため
という意味合いがあるのだけれど
それによる弊害もある。
その日にどれだけのお客様が来てくれるのか
見込みは当たる日も外れる日もある。
外れた日は下ごしらえしておいた
野菜たち、魚たちは
次の日に使えればいいけれど
廃棄せざるを得ない場合もある。
カットした野菜は萎びて
魚の艶はなくなる。
果たしてその食材の下ごしらえは
何のためだったのだろう。
お客様のためだったのではなかろうか。
何が言いたいかと言うと
こういうこと。
はりやでは下ごしらえする事で
極端に美味しくなくなったり
極端に美しくなくなったり
そういう作業は頼まれてからする事にしている。
調理するのも私だけだし
当然提供は遅くなってしまうこともまあまあある。
でもね、あるお客さんが言ってくれたのだ。
頼まれてから目の前で
自分のために調理してくれるなんて
すごい贅沢だよ。
提供が遅くなってしまう愚痴(そう私の愚痴)を聞いて
慰めてくれたのかもしれないけど
その時はその言葉に救われた。
廃棄してしまうこともゼロではないけど
なるべくなら使い切りたい。
そのために下ごしらえは最小限にし
色々な工夫もしていこう。
チェーン店ではない
個人店のお店の皆さま、頑張ろう。