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「自分でできる対人関係療法」を読んで

水島広子先生の「自分でできる対人関係療法」を読みました。
対人関係療法では、対人関係を三つの層にグループ分けし、特に「重要な他者」(=配偶者、恋人、親、親友など)との「現在」の関係に焦点を当てて治療を行います。

この本の中で特に印象に残っているのは、次の箇所です。

心の健康のためには、親密度が高いほど対人関係を良好に保つよう努力しなければならないということになります。(水島広子「自分でできる対人関係療法」より)

私はこの本を夫と共有して読みました。
夫はある箇所にメモ書きをしていました。

リストラされるほどの大問題ではなく、たとえば、職場で上司から批判されたというようなときでも、家族との関係が安定していれば、多少落ち込みはしても、やはり病気にまではなりにくいのです。(水島広子「自分でできる対人関係療法」より)
                
メモ:信頼関係、築けてないのかな?

このメモに私は少し衝撃を受けました。私は夫と信頼関係を築けているのか、と考え直しました。

私は、職場で同僚となかなか仲良くなれないことを夫に詳しく話すことができませんでした。
夫は、私に研究者であって欲しいと思っているのだ、と考えていました。
また私は博士号を取ったので、博士たるもの自分の力で研究を進めていかなくては、と自分を精神的に追い込んでいました。

そして、それができない自分をとても恥じていました。
自分を恥じる気持ちは、職場の同僚との対等なコミュニケーションを妨害しています。
私は職場の人間関係が貧弱な中にいましたが、なんとかうまく出来た仕事の話を夫に話して、仕事が楽しいというふりをしていました。
夫は、私が元気に仕事をこなし業績を残すことを期待している、と考えたためです。
私の実際と、私が考えている「夫から期待」は乖離がありすぎました。
だから、夫が仕事論をよく語ってくれて、それは素晴らしい考えだと思っていても、私自身は適応できないかもしれないと不安に思っていました。

今朝、このnoteそのままの内容をメモに書いて夫に見せました。
「そんなこと(=私が仕事で業績を残すこと、今の仕事を続けること)は期待していない」と言われ、とても気が抜けました。

「夫が私に期待していること」と、私が夫から「期待されていると考えていること」の間には大きな隔たりがあったのです。「役割期待のズレ」がありました。

数日仕事を離れ、「重要な他者」である夫が考えていることもわかった今、随分久々に開放的な気分を味わっています。
これからしばらくの間、正しい病人(=治療を受け入れ、安定することを目指して行動する)の役割に徹しようと思います。

読んだ本のリンクを貼っておきます -> https://www.amazon.co.jp/dp/B00VFM9C2Y/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

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