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手紙に香りを添えて

皆さん、最近直筆の手紙を書いたことってありますか?
年賀状すら数年前にやめてしまった私。(それも印刷でしたが💦)
そんな私が先日10年ぶりぐらいに直筆の手紙を書きました。

というのも、先日お茶のお稽古で、茶事をしていただいたのです。
茶事というのは、すごく簡単に言うとお茶(抹茶)だけでなく、料理やお酒もついてくるフルコースの茶会。
その茶事にあたり、先生からご丁寧なお招きの手紙をいただいたので、お礼の手紙を書きました。

お茶の世界では、手紙は巻紙に毛筆で書くのが正式なものとされています。今回先生からいただいたものもそうだったのですが、急には用意出来なかったので、今回は便箋と筆ペンで代用しました💦
普段の文字でもお世辞にも上手とは言えないのに、ましてや筆ペン…。
それでも、私なりに心を込めて丁寧に書きました。

そして、その手紙に同封したのが、文香(ふみこう)といわれるお香。

文香とは

【文香】
封書に入れて送るための香(こう)。香木などを砕いて和紙に包んだもの。

デジタル大辞泉

文香のはじまり

そのはじまりは平安時代にまで遡ると言われます。
平安時代、身分の高い女性が異性に顔を見せることはほとんどなく、男女の恋愛は手紙から始まりました。
気になる女性に和歌を詠んで贈ったり、恋文を送ったり。そして、その手紙に香を焚きしめたのだそうです。
贈られた女性側は、紙(和紙)の質や文字の善し悪し、和歌の上手下手、焚きしめられた香りなどから相手を品定めするのだとか。
そう言えば、源氏物語でも着物に香を焚きしめるという描写がありました。それほど当時の人々にとって、香りというものが重要なポイントだったのでしょう。

現代の文香

平安時代は、手紙(和紙)自体に香を焚きしめて香りを移したようですが、今の文香は手紙に同封して送るというイメージです。
今では見た目にもきれいなもの、可愛いものがたくさん販売されています。

以前、お茶のお稽古で使う懐紙をついつい集めてしまうという記事を書きました。

同じように、ついつい文香も買ってしまうんですよね🤭
たとえば、

和紙で包んだ文香
紫陽花をかたどった文香
麻布で包んだ文香
シールタイプの文香

どれも可愛くてお気に入りです💖

ちなみに、自分で選んだお香をお気に入りの和紙で包むだけで、世界に一つだけの文香が出来上がります。

文香の使い方

さて、そうやって手紙に添える文香ですが、最初に書いた通り、最近では手紙を書くこと自体ほとんどありません。
では、せっかく買った文香を何に使うのか。
私の場合ですが、

◇手紙に添える
…王道ですね。本来の使い方です。

◇祝儀袋に入れる、もしくは香りを移す
祝儀袋を入れてある箱の中に文香を入れています。あまり関係の深くない方には添えませんが、私がお茶を習っていることを知っている知人には文香を添えて渡したりもします。

◇しおりとして
本を読む時、しおり🔖の代わりに使う。
上で紹介した麻布で包んだ文香の右上のもの(紐が付いたもの)は、実際に本に挟んで使っています。

他にも名刺入れに入れたり、財布に忍ばせたり、色々と使い方はありそうです。
手紙に添えるもよし、身の回りのものに香りを移すもよし。
興味を持たれた方はぜひお試しください。

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