洋風せんべい ヴァッフェルとは
先日のお茶のお稽古で出していただいたお菓子が、京都の菓匠清閑院の「金胡麻せんべい雅月」。
特徴的な波型のクッキー生地にクリームをサンドしたお菓子。
こちらのお店のものでなくとも、皆さんどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。サクッとした食感と甘いクリームが美味しいですよね。
各お店それぞれに商品名をつけていると思いますが、「洋風せんべい」「ヴァッフェル菓子」というのが一般的な名称のようです。
洋風せんべいとは
そもそも、せんべいというと米や小麦を主原料とした焼菓子。個人的には香ばしくてパリッとした食感の醤油煎餅が好きです。
では、洋風せんべいとは。
小麦粉に卵や牛乳などを混ぜて作った生地に、クリームを挟んだもの。いわゆるせんべいと比べると確かに洋風。
正直これをせんべいと呼んでいいのかとも思いますが、小麦粉が主原料なので、せんべいの定義からは外れていないのでしょう。
ヴァッフェルとは
では、ヴァッフェルとは。
ヴァッフェルとは、ドイツ語のワッフル(waffle)を意味する言葉。
ワッフルと聞いて思い浮かべるのは、これ。
見た目は別物…ですよね。
強いて似ているところを探すなら、格子状の模様と波型の凸凹感…?(無理矢理)
ヴァッフェルいろいろ
そんな洋風せんべい ヴァッフェルですが、さまざまなお店で販売されています。
私が食べたことのあるものをいくつかご紹介します。
関西在住なので、関西のお店が多いのはご容赦ください。
①鼓月「千寿せんべい」
ヴァッフェルと言えば、まずは鼓月さんの千寿せんべいが思い浮かびます。
ホームページによると、千寿せんべいの誕生は昭和38年、1963年とのこと。元祖と言ってもいいかも知れません。
②源吉兆庵「福渡せんべい」
季節の果物を贅沢に使った自然シリーズで知られる源吉兆庵さんも洋風せんべい「福渡せんべい」を販売されています。
③長崎堂「ヴァッフェル」
カステラで有名な長崎堂さん。こちらの洋風せんべいは、その名も「ヴァッフェル」。分かりやすい!
④白鷺陣屋「白鷺の甍」
国宝姫路城のある兵庫県姫路市に店を構える白鷺陣屋さん。
姫路城は、シラサギ(白鷺)が羽根を広げたような優美な姿から白鷺城とも呼ばれています。
ホームページによると、
⑤谷常「山嶺(やまなみ)せんべい」
兵庫県北部に位置する谷常さん。山に囲まれた自然豊かな地域です。
山嶺とは山の峰、高くそびえる頂のこと。
山の頂を、波型のせんべいに見立てたのでしょうか。
名前は違えど、見た目はどこのお店もほぼ同じ。
波型のクッキー生地にクリームをサンドし、表面中央に焼印のようなものがあります。
クッキー生地も洋菓子のクッキーのようにバターたっぷりものではなく、あっさりとした独特の味わい。
「洋風せんべい」という名ですが、あくまでも和菓子なんだなと感じます。
最近はコンビニスイーツにも和菓子があるので、気軽に買うことが出来ますが、昔は和菓子屋さんで和菓子を買うのはちょっと特別なことだったように思います。
和菓子をもっと身近に、これまでにない新しい和菓子を、という和菓子屋さんの想いがこのお菓子には詰まっているのかも知れませんね。