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27時のブルー。
星が降り注ぐ夜。
外は静まりかえって、終電が駆ける音が透ける。
街灯は灰になって消えた。
夜道を淵どるように歩いたこと。
内緒にして秘密の水星で遊ぶ。
部屋を照らす月明かりは、
花瓶に差したコスモスを反射させた。
肌寒い秋の夜風はカーテンを靡かせる。
帳の暗闇は不可解に深くなる。
枕元に落とす温い想いと抜け殻の言葉。
心に刺さったままの棘。
食卓に並べた欺瞞。
最低な夜は沈むまでそのまま浮かべる。
星を一つ一つ紡いで戯れた。
夜露が泉に靄をかけた。
色調を失った景色が小窓から見える。
そこに映る溶け込んだ輪郭。
変わりゆく信号機の点滅と移り気のない雑踏。
浸る時の流れが長くなる。
握り締めたビー玉を2つ宇宙に翳す。
満たされない愛慕は揺れて夢の中に誘う。
現実との狭間で遠吠えする。
君の近くにいることを許さないようで、
ぼくは潮垂れた重い瞼を袖で拭う。
解けないように結んだ記憶に、
名前を付けて閉ざす扉。
要らなくなったソファーも本も捨てて、
地球儀を回して旅をしよう。
溢れた気持ちを知らないふりして息を吐く。
ゆっくり離れていく手を掴めず、
神様におやすみを告げる。
優しくできないままやり過ごす生活の傷跡。
また目を閉じたら来る明日の為に、
顔をうずめて君にさよならを。