文字を持たなかった昭和 七十(苗つくり)

 「代掻き」の次は、田んぼに植えるための稲の苗を育てなければならない。苗つくりもわたしが関わったわけではないので、またまたインターネットの情報を拝借して「おさらい」してみる。

 古くは、苗代(なわしろ)に直接種籾(もみ)を播き1か月くらい育てたものを手で抜いてから田んぼに植えていたらしい。ミヨ子と二夫(つぎお。わたしの両親)たちが専業として農業に勤しんでいた昭和30~40年代には、苗の成長を早めるために、苗代の床を少し上げて種籾を播き、油紙やビニールをかぶせて苗を育てる方法が普及したようだ。

 やがて田植えという作業が機械でできるようになると、苗のつくり方そのものが大きく変わった。わたしが子供のころは田植えも手植えから機械植えへの変換期だった。手植えと機械植えでは苗の育て方が全く違い、子供ごころに大きな衝撃と違和感を覚えたことが強く印象に残っている。

「こんなつく方で、こんな苗で、ちゃんと稲が育つのだろうか?」と。
 長年伝統的なやり方で苗を育ててきたミヨ子は、もっと戸惑ったことだろう。

《主な参考》
苗(なえ)つくり:農林水産省 (maff.go.jp) >苗つくり
クボタのたんぼ>お米ができるまで>苗の成長と田植え>田植えの準備


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