#45 “汗活”で熱中症を予防しよう
姿勢改善パーソナルトレーニングジムSISEIの宮谷です。
酷暑や猛暑と呼ばれる夏の真っ只中ですが、みなさん体調にお変わりはないですか?
外出すると厳しい暑さで大量な汗をかき、熱中症の危険にさらされてしまうため、「不要不急の外出はできるだけ控えましょう」と政府から異例の発表がされるほどです。しかし、冷房の効いた室内に籠もってばかりの生活を送っていても、体温調節がうまく行えず、俗に言う“クーラー病”という症状になってしまいます。
では、どうしたらいいのでしょう?
夏の気温で体調を崩しやすくなる原因は、「汗をかく」という生理機能が衰えてしまっていることも考えられます。
お盆休み以降にも疲れなどから、”夏バテ”や“熱中症”のリスクが高まると言われています。
今回は、意識的に汗をかく“汗活”をすることで、暑さに強いカラダ作りができるってお話です。
汗には“良い汗”と“悪い汗”がある?!
汗には、“良い汗”と“悪い汗”が存在することはご存知ですか?
見分けかたは以下のとおりです。
体温が上がった時は、汗をかくこと(発汗)による気化熱や、心拍数の上昇や皮膚血管拡張によって体の表面から空気中に熱を逃がす熱放散で、体温を調節しています。汗となる水分は、血液によって全身に運ばれ、ミネラル分を含んでいます。
良い汗は、ミネラル分をろ過して血液に戻す機能がちゃんと働くため、汗は限りなく水分に近く、ベタベタしなくて無味無臭です。
しかし、普段から汗をかく習慣がない人はろ過機能がうまく働かない“休眠汗腺”が増えるため、ミネラル分を多量に含む悪い汗になってしまいます。
そのため汗はベタベタしてしょっぱく、ミネラル分が多く失われることから、ぐったりと疲れやすくなるのです。
それでは、良い汗をかくためにはどうしたらよいのでしょう?
“汗活”で汗腺を鍛える
年齢や性別に関係なく、トレーニングをすれば筋肉が鍛えられるように、汗をかけば汗腺を鍛えることができます。これを“汗活”と呼んでいます。
“汗活”のキーワードは「暑熱順化(しょねつじゅんか)」。「暑さに慣れ、汗をかく能力を高めるカラダ作り」という意味合いで、熱中症予防に一番効果があります。
暑熱順化に有効な方法は、運動と入浴です。これらには、カラダを内側から温める効果があるためです。
汗をかけない“汗不足”な人の多くは、運動不足による基礎代謝の低下や体脂肪の増加や、湯船に浸からないシャワー入浴が原因です。
基礎代謝とは、安静時に体温を維持するためなどに、筋肉や臓器が活動してエネルギーを消費し熱を生みだすことです。基礎代謝量は筋量に比例するため、運動不足による筋力低下は熱産生しにくく、暑熱順化できないカラダになってしまいます。
また、皮下脂肪が多いほど体内の熱を外に逃しにくくなるため、体脂肪の増加にも注意が必要です。
シャワー入浴は気軽に汗や汚れを流せるメリットがありますが、カラダを芯から温めることができません。湯船に浸かる全身浴は、皮膚の表面近くの血管から温まった血液が全身を巡り、血流がアップします。血流が促進し、カラダが芯まで温まることで発汗が促され、暑熱順化に有効な手段となるのです。ブームとなっているサウナも同様に、暑熱順化に効果的です。
“汗活”には、やはり運動が一番オススメです。
運動による心肺機能の向上や筋力アップは体力アップにもつながるため、夏バテ予防にも効果的です。
すぐに始められるウォーキングやランニングなどの有酸素運動でもよいのですが、筋肉を養って基礎代謝を高めるには、無酸素運動であるウエイトトレーニングが最も早く効果が出ます。
また、筋肉の約80%は水分でできており、カラダ全体の体水分量の約40%を占めています。加齢とともに体水分量が減少する要因として、筋肉量の減少によるものが大きいと考えられています。体水分量が少ない人は脱水が進行しやすいと言われているため、筋肉を増やすことは基礎代謝を高めるだけでなく、体水分量を増やすことでも熱中症予防につながります。
カラダの中でも大きい筋肉である下半身(特に骨盤周辺)の筋肉を鍛えることが、最も効果的です。ジムに通わなくても家で始められるスクワットがオススメです。
“汗活”を習慣化させよう!
ご紹介した“汗活”は暑熱順化のためだけでなく、健康維持のためにも重要です。
汗をかくことは「究極のデトックス」と言われ、老廃物や余計な水分を排出することで新陳代謝が上がり、免疫力・体力アップ、美肌効果、ストレス解消効果が期待できます。
特に運動は“汗活”のためだけではなく、健康なカラダ作りには欠かせない健康の3原則(食事・運動・睡眠)の1つです。
毎日仕事で忙しくて、疲れてヘトヘトで運動する時間も気力もない…と言われる方も多いと思いますが、忙しい人ほど運動をするべきです。
忙しい日々を乗り切る体力は、筋力にほぼ比例します。良い汗をかく運動習慣を取り入れて筋力をつけることは、同時に体力も養うことになるのです。
体力がついて疲れにくくなると、時間や気力にも余裕が生まれ、肉体的にも精神的にも健康になることができます。
外気温が高くなってくるから“汗活”をするのではなく、1年通して“汗活”をしましょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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