ひなこのあてみなげ
岸田奈美さんの「キナリなおすそわけ」読んで、人の日記を読む激レア感と面白さに圧倒的に胸を打たれたので、僭越ながら、自分もここ5日間の出来事をツラツラ書いてみることにした。
その名も「ひなこのあてみなげ」だ。
「知らん小娘の日常に誰が興味あんねん。岸田さんやから、おもろいねん。」
というごもっともな意見を受け流して、思い切って投げてみる。
5/15(金)妹と愛犬から教訓を得る。
妹がこの春から始めた「愛犬専用instagram」に、ものすごい勢いでフォロワーが増えている。私が管理している大学のサークルの公式SNSなんか日に日にフォロワーが減っているというのに。
今の時代、癒しが求められているということか。どうしたら公式SNSを活性化できるんだろう。最近は、そんな事を考えては、可愛いワンコの顔を見て非常にむしゃくしゃする板挟みだ。
でも、妹いわく、
犬のアカウントでは「動画についているイイネの数が、視聴者回数を大幅に上回る」という珍事件が多発しているらしい。
つまり、みんな見てないのに「イイネ」しているということだ。
そこには「自分の犬も見てくれ!」という興味引きだったり、オンライン上でしか関わり合いがないのにコミュニティの繋がりを気にしていたり、SNSの「イイネ」にはいろんなものが込められているんだなと思った。
知らんけど。
だから、公式SNSを管理していて「最近、イイネやフォロワーからの反応がないな」と気が落ちることが多かったけど、ただのイイネ引きの発信をするのはやめようと思った。
私は、このサークルで、強いコミュニティと信頼できるイイネを守っていけるようなSNSを保っていこうと思った。それが、結果的に新入生にとって魅力を感じてもらえるきっかけになればいいなと思う。
私(広報長)の務めは、これである。血迷うな、私。
5/16(土)ドッペルゲンガーのシステムとは。
今日は二か月ぶりにサークルの友達とオンライン飲みをした。ZOOMの画面共有で映画が見れるという話になっていたので、皆で「コクリコ坂」を見ながらご飯を食べてみた。
意外と画質も良かったし、あんなにみんなの表情を横目に映画を見ることもないので、結構楽しかった。主人公の過去が明かされるシーンで、絵に描いたように衝撃的な表情をしていた友達に、なによりも衝撃を受けて、それからは画面の右上に映るその子の表情と共に「コクリコ坂」を楽しむ新手の映画鑑賞をしていた。
友達の面白い発見に喜々。
映画終了後、今回コクリコ坂をTSUTAYAで借りてきてくれた先輩が
「ドッペルゲンガーがテーマのホラーも一緒に借りてきた」
という話をしたので、みんなで「ホラーは見たくないなぁ!」と盛り上がっていたら、ひとりが
「あの...。ドッペルゲンガーって、向こうからやってくるシステムなんですか?」
と先輩に質問した。
衝撃だった。
私はドッペルゲンガーのシステムについて考えたことがない。面白い人というのは、いつも違う観点から物事を考えているものだ。私も、彼女みたいにいろんなことに思考を巡らせられる人でありたい。
また一人、憧れの人が増えた。
5/17(日) 自分に自信を持つのでありんす。
兵庫でもTBSドラマ「JIN」の再放送が開始され、今日ようやく最終回を迎えた。
それに伴い、我が家では強烈な「JIN」ブームが絶賛再来中で、妹が語尾に「ありんす」、父が「ぜよ」を付けて会話するカオスが巻き起こっている。
その癖に
「10:00からオンライン授業受けてくるでありんす~」
と私が参加しようとすると、めちゃくちゃ白い目で見てくる父妹。なんでやねん。なにが気に入らんねん。
明日は、大学の中間試験が一本と、インターンの最終面接があり、夜には先輩にオンラインで人生相談というヘビーなスケジュールが欄列している。
そんなこんなで、今日は精神がズンドコワッショイする不安定な一日だった。
プレッシャーがあまりにも大きくて、一度お昼過ぎに、「始めよう、瞑想」という本を思わずポチりそうになった。だけど、この不安とドキドキはきっとあるべきものなんだと思うから、今はこれまで考えてきたことを信じて、明日の風に任せようと思うことが大事だと思った。
I can do it! よし、寝よう。
5/18(月)う~~~め!と叫びそうになった就活生。
今日は久々に忙しい一日を過ごした。といっても、ずっとパソコンの前に座っていたので、いちにちの合計徒歩数は44歩だった。
もはや驚異的。
最初の予定はキリスト教の授業のテスト。オンラインで受ける初めてのテストにドキドキ。提出ボタンを押したら終了時刻20秒前でヒヤヒヤ。
オンラインのテストって「ペンを置いてください」という先生の言葉を聞きながら最後の文章を完成させるスライディング回答できないってことだもんね。
世知辛いぜ....(泣)
そんなヒヤヒヤを感じつつ、その5分後にはオンラインでインターンの最終面接を受けた。
「最近あった面白いことを教えてください」
という質問に悩んでいたら「なんでもいいですよ!」とおっしゃって下さったので、
「外出自粛中、妹がしつこく私にアイドルの自己紹介について力説してくるので、先日初めてアイドルのライブDVDを見たら、本当に一人一人の個性が10秒くらいの自己紹介に詰められていて、めっちゃ面白かったです!」
と答えた。
思わず、NMB48のうめちゃんの自己紹介「う~~~め!」を披露してしまいそうな勢いで爆裂に話してしまった。
手を梅の形に丸めた時「あ、だめだ!」と自制心が働いた。
あんなにも一瞬の内に自分は社会に出ても良い人間なのかを考えたことはない。
落ちたらそこだし、受かってもそこだな、きっと。
5/19(火)アジサイに埋もれる赤ちゃん。
部屋で勉強をしていたら、珍しく妹が部屋に入ってきた。
「どうした?」
と聞いたら、私が最近使っているノートを指さして
「そのノートどこに売っとんねん!」
と言ってきた。
一週間で帰るつもりで帰省してしまった私は、勉強道具を持ち合わせていなかったので、昔使っていたノートのあまりなどを使っていたりするのだが、そのノートの柄がおかしい、と妹が主張してきたのだ。
そのノートの柄というのが、
これだ。
確かに、改めて指摘されたら自分でも「なんじゃこれ」と思った。
アジサイに埋もれる赤ちゃん。センスがずば抜けすぎている。
そういえば、このノートは私がカナダに留学していた時にホストファミリーがくれたものだった。
”It's you!”
と言われながら渡されて、16歳の私はこれがカナディアンジョークなのか、ガチなのかめちゃくちゃ焦った。
結局、
「アジア人は幼く見えるというけれど、まさかここまでとはな。」
というガチの方の答えに行き着いたのを覚えている。
嗚呼、懐かしき。
あまりにも懐かしい記憶が蘇ったので、久しぶりにホストファミリーに連絡してみたら、「僕のヒーローアカデミア」というアニメがカナダで流行ってるという話で盛り上がった。
やっぱり、優しい。私のホストファミリー。
終息したら行きたいところがまたひとつ増えたなぁ。