神宮球場の青空と青いシートの間で
東京ヤクルトスワローズが前回日本一になった2001年の前後は、ほとんど全くと言っていいほどプロ野球をみていなかった。他のことで忙しかったかも。
それより前、1997年、1995年、1993年と、90年代は3回も日本一になり「ヤクルト黄金時代」とも称されてるが、この頃はスワローズのファンじゃなかった。なぜなら「強い球団」だったから。あと、オフはテレビに選手達がしょっちゅう出る「人気球団」っぽかったから。
ちなみにこの頃わりと”ひいき”にしていたチームは広島カープ。野球じゃなく、Jリーグのほうが良く見ていて、横浜フリューゲルスと浦和レッズが好きだった。判官贔屓、アンダードッグ効果にすぐやられる”ちょろい”私は、人気球団や、常勝軍団にはどうもそそられないらしい。
往年のファンの方々には失礼ながら、ここ数年の成績はそんな私にうってつけだったはずのスワローズ。なのに昨年、あろうことか日本一になってしまったから、さあどうしましょう。
もちろん、選手たちが元気に活躍し、スワローズが試合に勝てていたら楽しい。
2021年、開幕前に地をはいずってた前評判を覆し、終盤戦まで「絶対大丈夫」とか言いながらしぶとく諦めず、ゼエゼエとかろうじてリーグ優勝、さらにCSも突破。そして、パ・リーグ覇者オリックスとの白熱した日本シリーズを制して日本一を掴み取ったのだから、嬉しくないはずがない。
寒い季節まで続いた長いペナントレースを堪能し、優勝記念グッズも、優勝記念のムック本なんかもいくつも手に入れて、オフの間、へらへらしながら眺めて余韻に浸った。
けど、このまま来年もまた優勝してしまって、常勝球団になって、そのうち人気球団になったらどうしよう(失敬)。もし、毎年強すぎて、三冠王(予定)の村上くんや沢村賞(予定)の奥川くんの年俸が高騰して払えずとかなったらどうしよう……。やだ、開幕が怖い(大ウソ)。
はい、心配ご無用。2022年、オープン戦、順調に勝ってません。
オープン戦、3月の試合は当初6試合でスワローズの総得点たったの3点。0行進のスコアは「2進数」と揶揄されてた。神宮球場に戻ってきてソフトバンク3連戦でどうにか勝ち越すものの、その後ベイスターズに2連敗。
昨日は現地へ。爽やかな青空のもと、ベイスターズ強力打線にボッコボコに打たれました(んで、完封負け)。ベイスターズ今年強くない??オープン戦とはいえ、打率4割超打者が、ぞろぞろ居る。鮮やかなブルーのユニが眩しいよ。
8回時点で8−0で負けていても、清水投手が出てくるのがオープン戦ならでは。さらには、背番号3桁の育成選手を神宮で見られるのも今だけ、この中から支配下登録を勝ち取れる選手は出てくるかな。
スワローズ的には、点が入らなかったので、傘の花も開かず、見どころ少なめな試合だったが、若い選手が頑張ってたので、まあ、良いか。昨年のドラ1、木澤投手が6回表に登場したときが一番球場が湧いてた。
今年もこうやって、勝ったり負けたり負けたりまけ……、まあ、そんなこんなして143試合を終える頃、どんな結末が待っているかを楽しみにできるって、幸せなことなんだなと、頭上に広がる青空と神宮球場の青いシートの間でひとりビールを呑みながら、ふと思ったら、ちょっぴり選手の姿が滲んだ。
走り回る選手たち、間を飛び交うまぶしいほど白いボール。鮮やかな緑のフィールドとその上に広がる青く穏やかな空が、永遠に日常としてあってほしい。
大好きなプロ野球の開幕は、もうすぐ。