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ブロンズの猫も、出会った物語も、お守りになる
もう一度読んでみたい本があります。
子供の頃に読んだ児童書。
題名も、作者も、物語の結末も思い出せません。もしかしたらいくつかの別の物語が少しずつ混ざっているのかもしれないけれど、でもなにかとても印象的な部分があったような気がします。
・主人公は親が忙しく留守がちですこし寂しい思いをしている10歳くらいの少女。もしかしたら片親だったかもしれない。
・少女は内向的で家族や友人関係で辛さを抱えている。
・近所に素敵な家をみつけて、そこに住むおばあさんと仲良くなり出入りするようになる。
・おばあさんは片手で包めるくらいのサイズのブロンズでできた猫の置物?チャーム?を持っていて、たぶん少女はそれを貰ったのではなかったか。
・少女はその猫のすべすべした背中を撫ででいると心がおちつく、いわばお守り、おまじないグッズ。
・あるとき何かのきっかけでおばあさんが受け入れるのは自分だけではないことに気づき、少女はショックを受ける。
・おまじないが効かなくなる。
絵はほとんどなく、全体的に緑色のイメージです。装丁の色だったのか、それともストーリーが緑あふれる季節だったのか、おばあさんの家が林の中だったか、屋根か窓枠がグリーンだったのか…。
ブロンズが何か知らなかったし、猫を撫でたこともなかったけれど、優しい感触なんだろうなあと想像してました。そして、これがあれば大丈夫と思えるようなおまじないアイテムに憧れ、それが、神社のお守りみたいな渋いものでも、逆にポップで可愛いものでもなく、ブロンズの猫という大人っぽいアイテムだったのがなんだか非日常的で良かったのだと思います。
この家は自分だけのシェルター、おばあさんは自分だけのガーディアン、そう思っていたのに、そうではなかった。それは当然なのだけれど、おまじないも効かなくなって少女が傷ついたのがとても悲しかった。
きっと、少女は葛藤を乗り越えたのだとは思う、そうであってほしいから、この物語に結末をつけたいな。