
イノベーター向け ランニングのススメ
最近知り合った方はあまりイメージがないかもしれませんが、実は私は30歳を過ぎてから突然目覚めまして、以降、10回以上のフルマラソンレースの完走経験があり、118kmのウルトラマラソンレースや数十キロに及ぶトレイルランレースの完走経験もあります。そして近年はレースから少し距離を置いているものの、週末を中心にランニングを楽しんでいます。
ランニングは多くの人におすすめできますが、特に新規事業開発やイノベーションに携わるビジネスパーソンには、以下の点で特におすすめです。
1. 習慣化のメリット
皆さん、体調が悪い時は休みますよね? これを一旦「休む=活動量を減らす」と考えてみましょう。もし普段、仕事だけに集中している場合、休むには仕事を減らすしかありません。しかし、もしランニングを習慣にしていると、ただ「ランニングをやめる」だけで休息を取れるんです。ランニングという、いつでも休止可能な活動を持つことで、動き続けるためのバッファーが生まれるわけです。
また、自分自身の状態を知るバロメーターとしてもランニングは役立ちます。走ったときの調子だけでなく、継続して走れているかどうかを振り返ることで、心身の状態を客観的に把握できるんです。
2. 実はそんなに苦しくない!
ランニングは「多幸感」を手に入れる最も簡単な活動の一つです!(しかもアブナイ・クスリの様なリスクもありません!)
多くの人が「ランニング=苦しい」と感じているのは、単純にペースが速すぎるだけなんです。ランニングはダッシュではなく、ゼェハァ息苦しいことが条件でもありません。フルマラソンも「いかに苦しくないペースを維持するか?」がポイントで、調子が良ければ終始気持ち良いまま完走できることもあります。特に習慣化するまでの間は、超スローペースで始め、気持ちの良いペースを維持することがおすすめです。
3. 思考が整理される
ランニングはシンプルな運動なので、頭が動作に引っ張られすぎず、思考を整理する時間にぴったりです。ある種の瞑想状態になれることもあり、私も週末のランニングを通して日々の課題を整理し、何が最優先かを考える時間を作っています。特に長距離を走ると、体が疲れるにつれて雑念が払われ、クリアな思考が生まれやすくなります。これがビジネスにおける新しい戦略や次の一手を考える上で非常に有効なのです。
4. 新しいアイデアの発見
同じ環境にいると、斬新なアイデアはなかなか出てきませんよね。でもランニング中は、オフィスや会議室などの日常とは、気分的にも生理学的にも脳が「違うモード」になるので、普段とは異なる視点で物事を考え、インスピレーションを受け取りやすい状態になるのです。シャワー中にアイデアをひらめくなどの体験と近いものがあると思います。私はこれまでかなりの発想、選択、決断をランニング中に、行ってきた自覚があります。ふとした瞬間にこれまでとは全く異なるアイデアが浮かび、実際にそれがプロジェクトの突破口となった経験を何度もしています。
5. 限界を超える経験
少し上級者向けの話になりますが、ウルトラマラソンやトレイルランを経験すると、自分の限界を超える感覚を体験できます。特にレース中盤や終盤に、「もう体力も足の痛みも限界だ」「今後のことを考え今すぐリタイアすべきだ」と脳が要求してきます。脳は極めて合理的に「ここでやめておいたほうが良い理由」を多角的に量産してくるのです。しかし、ここをぐっとこらえて、あと一歩、あと一歩と進んでいくと、不思議なことに調子が回復してきて、嘘のように完走できてしまうことがあるのです。これは脳が「限界」を錯覚させているだけで、実際にはまだ走り続けられる力が残されていることを示しており、人は自分が思っている以上に様々な可能性が残されていることも感じさせてくれるのです。ランニングを通じて、これらを経験的に深く理解することができます。
ビジネスでも、特に新規事業開発では何度も、「もう打つ手がない」「やるべきことはすべてやった」「大手が参入してきたからもう勝ち目がない」などと脳が限界だと判定する場面が訪れます。しかし、それは脳が見せている幻に過ぎないことが多いものです。ランニングによる「限界は超えられる」という経験は、ビジネスでも粘り強く挑戦し成長し続ける力になっていると実感します。
ランニングを通じて得られるこれらの経験や習慣は、ビジネスにおいても大きな強みとなります。忙しい日々の中で、自分をリセットし、新たなエネルギーと視点を得る手段として、ランニングを取り入れることを強くおすすめします!
最後までお読み頂きありがとうございました!