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イチローが僕と爺ちゃんを繋いでくれた。
先週、突然の引退表明をされた、
メジャーリーグ:イチロー選手(シアトル・マリナーズ)
開幕戦に縁あって観戦しに行ったこともあり、
とてもびっくりしました。
健康に気を遣っていた最近では珍しく、
引退会見を最後までLIVEで観てしまいました。
そんなイチロー選手の姿を見ながら、
ふと記憶から飛び出してきた「思い出」を書いてみようと思いました。
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山陽新聞のスポーツ欄。
今思えば、決して見やすいわけではなく、
華やかに編集されたものではなかったかもしれません。
でも、それがなければ、僕の人生は全く違ったものになっていたかもしれません。
もしかすると、
人と話す、意見を交わす、
そういったことの楽しさを味わない人生を選んでいたかもしれません。
日本野球界、いや、スポーツ界最高傑作。
それが、イチロー選手。
僕が野球に興味を持ち始めたのと同時期に、ある歴史的な出来事がありました。
「日本人野手初のメジャーリーガー」”イチロー・スズキ”の誕生でした。
当時の僕は小学二年生。
まだ、「松井」「イチロー」くらいしか知りませんでした。
そんなイチローを知ったのは、「山陽新聞」の紙面でした。
田舎のテレビでイチローを観るのは、夕方と夜のスポーツニュースのみでした。
僕の楽しみは、小学校の登校前に爺ちゃんと山陽新聞のスポーツ欄を見ながら、
「昨日は何本のヒットを打った」
「打率は今何位?」
「明日何本ヒットを打つと、打率は一位になるかも!」
今思えば、爺ちゃんは、僕の話をただ聞き、頷いていただけかもしれません。
でも、当時の三宅少年は、
「新聞」という大人な読み物を、
「立派な大人の代表」である爺ちゃんと、
「対等に」語っている。
という満足感と楽しさでいっぱいでした。
学年が上がるにつれ、かけ算を覚え、わり算を覚え、分数を覚え、
大きな桁の計算ができるうになり、
打率の計算ができるようになってきました。
計算ができることを爺ちゃんに言いたくて、
必死で計算していました。
「こうなって、こうなれば・・・イチロー首位打者になるよ!」
爺ちゃんは、熱中している僕を見て、
「おお、そうか」
「算数(計算)が、はえーのー(早いなあ)」
とニコニコしていました。
毎日の楽しみは「新聞を見ること」になっていました。
イチローが首位打者になり、
メジャーの最多安打記録を更新し、
その度に、爺ちゃんと一緒に新聞を眺め、
ああでもない、こうでもない、
と話をしていました。
また、うちの実家は、自転車屋さんを営んでいたこともあり、
頻繁に近所のおじちゃんが代わる代わるやってきては、
一緒に新聞を見て話していました。
今思えば、
幼少期・少年期の僕は、爺ちゃんとの距離がわからずにいた気がします。
僕の家族は、父母僕妹祖父母、という田舎にありがちな典型家族でした。
父母とは、過ごす時間も多かった(保育園に行ったことがないなど)こともあり、距離感は近かったと思います。
結婚した今でも母親とは週に3〜4回電話をしています。
妹とは、向かう興味が全く違い(某大手エンタメ企業所属)、仲は良くも悪くもなく、という兄妹の関係では、”一般的”なのかなあと思います。
祖母とは、ん〜。
サザエさんに登場する、「カツオとサザエ」の関係に近かったのかなと思います。
一日4、5回、ガチの喧嘩をしていました。
(喜寿を超えた今でも元気でいるのは、僕のおかげだと真剣に思っていますw)
そして、祖父。
実家に自転車屋さんが併設されていることから、
幼いことから、”自分の責任で働く大人”としての祖父の姿をたくさん見てきました。
家にはいるのですが、
いわゆる「じいちゃん」のイメージではなく、
「バリバリ働く大人」としてのイメージが強かったのかもしれません。
だから、シンプルに甘えたり、なんでもないような話をすることが想像できませんでした。
じいちゃんとの会話の内容は、幼い頃から、
スポーツ、時事ニュース、将棋、政治、商売について、自転車やバイクについて、
など、子供の僕としては少々背伸びをした内容だったかもしれません。
会話の中に「笑う」「笑顔」みたいなイメージは少なかったかもしれません。
そんな僕とじいちゃんの関係に、
「一緒に喜ぶ」ことを持ち込んでくれたのが、
他でもない、「イチロー」でした。
今日まで、じいちゃんといい関係を続けていられるのは、
イチロー選手のおかげかもしれないと、冗談ではなく思います。
そんなイチロー選手の引退は、僕にとって、「好きなスポーツ選手の引退」以上の何か、を意味しています。
今度実家に帰った時には、
背伸びしたじいちゃんとの会話を引退し、
ただただ、じいちゃんを受け入れたいと思います。
イチロー選手、今までありがとうございました。
今日はここまで!!!!
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