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フラット型組織になれるか!?〜デイサービスの挑戦〜#6 帰ってきた利用者さん

ずっと書きたいと思っていたことなので、忘れないうちに書きたいと思います。

”帰ってきたウルトラマン”
”帰ってきたヒトラー”
”帰ってきたドラえもん”

世の中には、実に多くの”帰ってきた”がありますよね。

制度と別れ。

今回のお話は、”帰ってきた利用者さん”です。

遡ること10ヶ月前。

今回の主人公の山田さん(仮名)は、
80歳、女性、膝関節が思わしくなく、精神的にもたまに不安定。

そんな方でした。

お一人暮らしで、家族や親戚がたまに様子を見にくることもありますが、
生活の大半はお一人です。
買い物、病院、料理、洗濯、猫の世話、すべてお一人です。

意外にも、都内には高齢者の一人暮らし世帯が多いんです。

そんな山田さんは、昨年4月に突然、ウチのデイサービスの利用が休止になりました。

原因は、「制度改正」。

この業界に関わらずとも、よくある話ですね。

山田さんの場合は、
”要介護”認定から、”要支援”認定に変更になったことにより、
うちの利用ができなくなってしまいました。

めちゃくちゃ簡単に言うと、
「平成29年度から、”要支援”認定(まあまあ元気な方)は、デイサービスの通常利用が出来なくなってしまう。」

ということでした。

猶予期間を経て、平成30年度からは、正式に利用ができなくなり、
「利用休止」となりました。

山田さんは大変寂しそうにされていました。

「一番最初がココだったの。」
「みなさん、とてもよくしてくれて。。」
「でも、しょうがないもんね。」

要介護から要支援になるということは、
制度上「元気になった」印ということです。

いいことなんです。

でも、

なんとかできないのか。

みんなで考えましたが、ウチのような規模の小さいデイサービスでは、難しいことでした。

約二年のご利用期間は、こんな形での別れでした。

このままもっと元気になって欲しい!

スタッフみんなでそう思っていました。


年賀状は”いのち”の証明

それから半年後、今年の年明け。

「あけましておめでとう!」
「あけおめ〜!」
「今年もみんなで頑張ろう!」

そんな新年初出勤の日。

郵便局員さん「郵便でーす。」

10枚ほどの年賀状が届いていました。

その中に、山田さんからの年賀状がありました!

丁寧に手書きで書かれていた年賀状。
手の関節も痛いって言っていたはずなのに、かなりの長文。

きっと時間をかけて書いてくれたんだ。

元気そうでよかった。

みんな、そう思いました。

よくあるケースは、

利用中止→担当のケアマネジャーさんに久しぶりに会う。
「あの方元気ですかー?」
→「そういえば、先月亡くなったんですよ。。」
 「サービス終了してたからご連絡しないでいいかと思って。ごめんなさいね。」

よくあります。

だから、この山田さんからの年賀状は、

「久しぶり!あけおめ!」

だけではなく、

”まだ、いのちが続いている”

ということでもあるんです。

普段会っている友人や同僚からの年賀状とは違った重みがあります。


帰ってきた!

フィジカルに、帰ってきた!!**

そんな山田さんとの再会は、突然やってきました。

「三宅くん!お客さんだよ!」

奥の部屋で作業をしていた僕を、管理者の木塚が呼びました。

”?お客さん? 産休中の社員が子供と遊びにきたのかな?”
とか思っていました。

エントランスまで出てみると、

あ。

あ!

ああああああ!!!!!!

騒ぎになるくらい大声を上げてしまった・・恥


ニッコリ笑った山田さんが立っていました。

なんで?

なんでぇぇぇ????

「来てみたの!」

「お、おう。」(なんでタメ口?w)

お茶を出し、話してみると、

”あの後具合が悪くなって要介護に戻った”
”お風呂に入る機会を増やしたくて、ケアマネジャーに相談していた”
”とりあえず行ってみようと思った”
”今日はバスに乗って来た”

行動力がエグい・・・

「帰ってきた利用者さん」

「(フィジカルに)帰ってきた利用者さん」

でも、話す姿や様子な当時のまま。

”施設の前でウロウロしてみて、知っている人がいなかったら帰ろうと思っていた。”
”たまたま休憩中の木塚さんと会って、感動してしまった”

こんなにも、利用者さんに愛されていたのかと思うと、
本当に嬉しくなりました。


その後、順調に復帰に向けての話が進み、
現在、週一回休まず、元気よく、ご利用されています。

今度は、

”元気になりましたね!”
”卒業おめでとうございます!”

と送り出したいです!!


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