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悪魔の代弁者(vol 206)

天使と悪魔

現地のマネジャーにとっての拠点長、両面を持った存在。
権限委譲して背中を押す天使の声と、提案アイデアを打ち砕く悪魔の意見。

マネジャーから、業務上の改善提案や現状変更、新しい投資案件の承認依頼を受けます。彼らから出てくるのは会社や組織をより良くするアイデアです。ならば、反論する必要のないものが大半。
さらに、日常の対話の中で、進みたい方向や、今までと異なる行動・対応が必要なことは、以心伝心とまではいかなくても共有できています。

それでも、持ち込まれたアイデアに、意地悪な視点の質問をふっかけます

「ダメ出しされた」「反対された」とマネジャーが受止めて、「じゃあ、いいです」踵を返してあきらめてしまうこともあります。
「権限委譲するよ」とにこやかに言っておきながら、「面倒くさい上司だ」と思っていることでしょう。

でも、私のイジワル質問の本音、却下や否定の為ではありません。
 ・ちょっとした反論にめげてしまうなら、その程度の熱意。
 ・将来に可能性のある課題、どこまで頭に汗かいて想定したか。
承認して権限委譲するときの登竜門と受止めてほしい
やっぱり、難儀な上司でしょうか?

あなたのアイデアの欠点、どこまで考え抜いた?
こんなケースが起きたら、どう対処するの?大丈夫?
〇〇さんはきっとこの点について反対すると思うけど、もう話しした?
ここは、この間の××の内容と重複して非効率じゃない?
な~んだ、もうあきらめちゃうの。絶対やりたいの意欲が足りないよ。

敢えて」質問や反対論を出すのです。
一見、議論の為の議論、反論のための視点設定とも言える為、ムダ時間に感じるかもしれません。
それでも、意地悪な質問や悪魔の声への対処、議論をする中で、本当のリスクが見つかったり、アイデアのレベルアップが期待できます。

文化背景も違うので「これって親心なんだよ」を以心伝心で伝えるのは難しい。
前回のセカンドオピニオンを求める発信にかぶせた、社内ツイートです。

I dare to be Devil's advocate
When the organization's opinion swings in one direction and there is no opposition, or when I want to make sure that there are no blind spots in the organization's decision making, I dare to argue with opposing opinions and different points of view.
I'm not refuting your ideas, but I am trying to make them more complete.
Keep in mind, however, that your idea may not be approved if you can't defeat the Devil's Advocate.
私は、敢えて悪魔の代弁者になろうとしています。
組織の意見が一方向に振れて反対意見が出ない時、あるいは組織の意思決定にブラインドスポットがないかを確かめたい時に、敢えて反対意見や異なる視点で議論をしたいと思います。
皆さんのアイデアに反論しているのではなく、アイデアの完成度を上げたいと考えているのです。
ただし、悪魔の代弁者を論破できなければ、あなたのアイデアは承認を得られない可能性があることも覚えておいてください。

「いいアイデア」と思って承認の相談にきているマネジャーに、親心? 転ばぬ先の杖? を分かってもらうのは難しいですね。
実は私の真意はこうなんだ、と価値観を表明する場もなかなか持てない

社内ツイートで事前に発信しておくと、「悪魔の代弁者」を怨じた次の機会に、直接対話や説明がスムーズに進みます。

最初の頃の社内ツイートは、私自身の気づきのシェアが大半でした。
これが、だんだんと前振りに使う社内ツイートに変わってきました。
  「今発信しておくと、後々、話が早いな」
が見つかるようになりますね。

最後までお付き合いありがとうございます。

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