筑波大学箱根駅伝復活

箱根駅伝に筑波大学が「復活」〜歓喜に湧いた26年分の想い

この日がとうとうやってきた・・・

関係者にとっては悲願の箱根駅伝「復活」。長く止まっていた歴史の針がとうとう動き始めました。まだまだかすかな動きであり、スタートラインに立てるという状況になったにすぎないのですが、その苦労がどれほどのもので、どれだけの人の想いがこもっているかは少なからず身を以て分かっているつもりです。

テレビ中継で通過順位が出るたびに一喜一憂し、後半にかけて順位をジリジリと押し上げていくにつれて「もしかしたら」が現実になるんじゃないかとソワソワし始めました。残念ながら不慣れな感覚でしたよ(笑)

ドキドキながらフィニッシュラインを通過する筑波大の選手を数えようとテレビの画面を凝視。通過はほぼ当確!となった時点で目頭がカーッと熱くなって、いろんな想いがこみ上げてきました。

冒頭に述べた「とうとうこの時がやってきた・・・」と感じたのがまさにこの瞬間です。結果発表を待つ選手の姿がチラチラと画面に映っていましたが、俯き加減で待つ選手はもういませんでした。みんな、歴史が動く瞬間を心待ちにして控えているような、そんな表情です。

「6位、筑波大学」

大学名が呼ばれた瞬間に、抱き合う選手や関係者たち。あの場にいれたらよかったなぁと思いながらも、テレビの画面をじっと見つめながら喜びがジワジワとこみ上げてきました。いや、なんとも言えない感情かな。きっと現地にいても言葉が喉の奥に詰まってしまってダメだったでしょう。

感情を爆発させて大喜びできない性格は損しますね(笑)

■どんな想いでこの日を迎えたか

自分の昔話はこれまで長々としてきたので、もはやこの場で書くのもためらわれますね。色んな思い出がありますが、予選会にまつわる大きなものはこれかな・・・

似たような話が4年間続きます。もがきながら、苦しみながら試行錯誤を繰り返した日々でした。自分たちのあゆみを辛辣に自己評価するならば「10歩進んで9歩下がり、また10歩進んだと思ったら今度は11歩下がる」みたいな感じ。逆にわかりにくい(苦笑)

動いた度合いでいうと相当やったと思ってます。でも、少しは前進したかなと思ったら全然進めてないし、気がつけば元に戻っているような感覚でした。足掻いてもがいて苦しんだ4年間。人生を俯瞰的に振り返れば必ず意味があると思える時間ですが、それは結果論であって、やっぱり当時は何が何でも出たかったというのが本音です。


■「箱根駅伝復活プロジェクト」のスタート

2011年から「箱根駅伝復活プロジェクト」が始まり、たくさんの人が本気で箱根駅伝に出るために力を尽くしました。自分たちが学生の頃にやった「裏技」とは違って、オトナを巻きこみ、学校も巻き込んだ大きなプロジェクトです。

他大学の壁は厚く、毎年厳しい現状を突きつけられてきました。ただ、選手たちが前に進んでいるというのは本人たちが自覚していたでしょうし、周りから見てもそれがちゃんと伝わっていたのは事実で、「いつか」は決して「遠くない未来」にくると本気で信じていました。今年がその未来になったのは嬉しい誤算でしたが、決してまぐれじゃないのは、声を大にして言いたいことです。

今回は歯車がガッチリ噛み合った結果でした。エントリータイムで見れば全体の20番なので、マークすらされてなかったでしょうね。それでもエントリータイムに当日の調子は反映されません。レース当日の暑いコンディションは選手たちの体力をどんどん消耗させていきましたが、それに一番うまく対応できたのは間違いなく筑波大でした。

実力以上のものは出せませんが、実力を出し切るというのも簡単なことじゃない。それを実感しましたし、後輩たちがそれをやってのけてくれたことが誇らしかったです。

《箱根駅伝予選会エントリータイム》
順/チーム/平均タイム/昨年順位/昨年成績/今年順位
1)明 大  28分53秒24 5 10時間41分06秒(4)
2)城西大  29分14秒10 ─ シード(15)
3)創価大  29分14秒40 15 10時間50分39秒 (5)
4)東国大  29分16秒72 6 10時間41分15秒(1)
5)早 大  29分17秒20 ─ シード(9)
6)中 大  29分18秒25 8 10時間42分55秒(10)
7)国士大  29分19秒35 9 10時間45分39秒(8)
8)山梨学大 29分20秒17 10 10時間46分27秒(17)
9)大東大  29分24秒05 7 10時間42分16秒(18)
10)日体大  29分24秒40 ─ シード(3)
11)日 大  29分29秒66 ─ 関東インカレ成績枠(7)
12)神奈川大 29分30秒88 3 10時間39分16秒(2)
13)上武大  29分42秒12 11 10時間46分51秒(13)
14)専 大  29分42秒92 14 10時間49分23秒(14)
15)東農大  29分46秒59 16 10時間53分49秒(16)
16)駿河台大 29分48秒86 18 10時間58分24秒(12)
17)亜 大  29分48秒91 13 10時間48分54秒(22)
18)武蔵野学大29分49秒19 24 11時間08分23秒(21)
19)麗沢大  29分58秒09 12 10時間48分41秒(11)
20)筑波大  30分00秒61 17 10時間55分23秒(6)

ベースボールマガジン社Webより


そして、今回の予選会前に一番目に止まってグッときたのは弘山監督のツイート。

「大学で襷を繋いだこともないチーム」

・・・その通りなんですよね。予選会では襷をつなげません。箱根駅伝に出たいと言いながら、襷に触れることなく卒業していったこれまでの先輩たちも多くいました。だからこそ、想いはひとしおです。


■本戦に向けて

いちOBとしては、後輩たちが思いっきり箱根を走ってくれることだけを願うだけです。余計なことは考えずに、ただ粛々と準備を進め、当日は堂々と走って欲しいですね。そしてそれを目立たないように熱く応援するのが僕たちの役目だと思っています。

ただ、国立大学が今の箱根駅伝に出るというのはとんでもなく衝撃の大きいこと。周りは静かにはしてくれないでしょうね。渉外活動や周囲からの様々な声が選手を励ましたり、プレッシャーをかけたり、色々するでしょう。それも含めて「箱根駅伝®︎」と考えると、少し心配な部分もあります。

まぁ、余計な心配とわかっていながらも、老婆心としての戯言と聞いてください(苦笑)

お正月が楽しみです!

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宮川 浩太@RUNNING CLINIC院長
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