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國學院大学初優勝に見た組織の「成長」と「成熟」

出雲駅伝が終わりました。

この駅伝は台風と重なることが多く、2014年に台風で大会自体が中止になったことがありました。この時も台風19号。自然災害はどうしようもならないとはいえ、色々と考えさせられる問題です。

そんな中、見事に初優勝を飾ったのが國學院大学!また一つ新しい歴史を作りましたね。國學院大学といえば、駅伝で目立つ存在ではなかった(・・・というと失礼ですが)のですが、今回は前評判も高く、見事に歯車が噛み合った結果になったのではないかと思います。今回の優勝はひとえに関係者の努力によるところがとても大きいでしょうね。

今では「強豪」と言われている大学にも「初優勝」は必ずあって、それを経て強いチームへと昇華していっているものです。ただ、「初」の後にどんな結果を残すことできて、強くなる土壌やサイクルが作れるかがとても重要なのはいうまでもありません。

國學院大学の優勝を見るにつけてふと考えた「チームが強くなるための条件」についてまとめてみました。


◼️チームが強くなるための条件

1)切磋琢磨する仲間がいること

今回の國學院大学には浦野選手という絶対的なエースがいました。これまでもいろいろなレースで結果を残し、チームを率いてきて圧倒的な存在感を誇る選手であることは間違いありあません。エース級の選手ばかりが注目されがちですが、今回のチームは6区間中4区間が4年生というオーダーでした。

浦野くんも高校時代から実績を残してきた選手というわけではないですし、4年間チームの仲間と切磋琢磨した結果、実力を伸ばしていったんでしょう。4年生が力を発揮するチームはやはり強いなという印象を受けます。


2)各学年がそれぞれの役割を分かっていること

4年生に呼応するように気を吐くのが下級生。彼らがどれだけ上級生の想いを汲み取れるかは非常に大きなポイントだなと僕は思います。今回は中西大翔くんという1年生が2区で各校の選手と堂々と渡り合っていました。

そして、出雲駅伝に合わせて行われる「もうひとつの出雲駅伝」(出走メンバーから漏れた各大学の選手によっておこなわれる5000mの記録会)

この記録会で、中西くんの双子の兄である中西唯翔くんが5000mで自己ベストを出していました。弟の活躍に刺激を受け、チームの優勝に勢いを得たのかもしれませんね。これから先に続く駅伝に対してはとてもプラスのニュースになったことでしょう。

チームを引っ張る上級生、それに応える下級生。それぞれがきちんと役割を果たしてくことでチームとして上手く回るサイクルができてきますし、それがチームが強くなる条件の一つなんじゃないかと思います。


3)「経験したことがない」を「経験したことがある」に変えられたこと

今回の優勝がまさにこれ。道無き道(=経験したことがないこと)を切り拓いていくのは想像以上に大変なことです。だからこそ「初優勝」というものには大きな価値があり、それによって初めて越えられる壁があるのは間違いないです。

とはいえ、ここからが本番であることは本人たちがきっとわかっていることでしょう。「ダークホース」と称されるうちは、プレッシャーがかかる立場でなく、プレッシャーをかける立場です。それが一転して各校からマークされる立場に変わったときには「いつも通り」が貫けなることが出てきてしまいます。走る人数が増える全日本、箱根駅伝となると、戦況はガラッと変わる可能性もありますよね。きっとここからが本当の戦いになってくるでしょう。


◼️「成長」と「成熟」を考える

今回の國學院大学の結果は、これまで地道に行ってきた強化策の成果でしょう。環境整備、スタッフ、勧誘、日々のトレーニングなど強化に費やした時間は相当なものだったと思いますが、形として現れた瞬間に本当の意味でチームの「成長」を実感できるのかもしれません。

その一方で、成長しただけではまだまだ不十分です。チームのメンバーはどんどん入れ替わりますし、いつまでも今のチームが続くわけではありません。それでも強い土壌が定着し、学生が入れ変わっても強いチームであり続けるためには、チームとしての「成熟」が大きな鍵でしょう。

國學院大学OBで現在はチームのコーチとして活動する山口祥太さんが大学のインタビューの中で「土方や浦野といった選手が部にいる間に、彼らの考えや思いをどれだけチーム全体に浸透させられるか(が重要)」と話していましたね。チームが成熟していくための土壌づくりは着々と進んでいるんでしょうね。

「成長」と「成熟」の考え方は、スポーツの世界にとどまらず実生活でも一緒だろうなと思います。

強いリーダーが組織を「成長」させたとしても、それが根付いて本当にしっかりした組織になるためには「成熟」していく必要があるでしょう。

成長段階ではどこかしらに心地よさが伴いますが、それが成熟のフェーズに入ると苦しい時期やもがく時期が必ず出てきます。そういった時にどれだけの「想い」を持って「行動」できるかが問われるんじゃないかなと思います。ただ、そんな不安を感じさせないくらいの勢いを國學院大学大学には感じました。これからのチームの変化に注目したいものです。


それにしても・・・今年の大学駅伝は目が離せない展開になりそうですね。

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宮川 浩太@RUNNING CLINIC院長
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