超スピード文章術:完璧を目指すよりまず終わらせよう
放射線科医は文書作成が日常だ。
日々CTやMRIの画像に目を通し、所見を確認し、読影レポートという文章として、それを落とし込んでいく。
そのため、いかに効率的に文章を作成するかがQOLに直結する。
文書作成についてなにかヒントが得られればと思い、今回は以下の本を読んでみた。
感想
作成するのが読影レポートというやや特殊な文書のため、本書の内容をそのまま日常業務に敷衍して考えることは難しい。
しかしながら、個人的に刺さったのは「まずは粗々でいいから書ききってしまう」というところ。
文章を作成する際、「完璧主義」のような考えに陥ってしまい、行動が億劫になってしまうことがある。
文章を書きながら、もっといい表現があるのではないか?とどうしても立ち止まってしまう。
実際はその部分は枝葉の部分にすぎず、もっと大事な全体の流れ・幹に当たる部分に焦点を当てるべきなのにも関わらずだ。
この迷いが、文章作成のスピードをガクンと落としてしまう。
完璧を目指すよりまえにまず終わらせろ、という言葉はよく見受けられるが、文章作成に関してもまずは走り抜けてしまうことが肝心なのだ。
誤字脱字も後で直すので気にしない。
まずはバーっと文章を一気に書き上げてしまう。
読影レポート作成以外の業務(カンファレンスのスライド作成や提出する書類など)では、この考え方は非常に重要になる。
まずは粗々でいいから走り抜けてしまって、そのあとにゆっくりと振り返ってブラッシュアップしていけばいい。
そもそも、最初から完璧で理想的で完璧なものをつくりあげることなどまず無理だ。
試行錯誤こそが大切で、本当に考えるべきはいかに試行回数を増やすかだ。
以下は本書の読書メモ。
読書メモ
なぜ文章作成には時間がかかるのか?
「うまい文章を書かなければならない」という思い込み
文章は伝えたい内容が伝わればそれでいい
うまい文章は不要、目指すのは「わかりやすくて、読者の役に立つ文章」
「文章を書くことそのものが目的になる」というワナ
伝える目的と相手を明確にすることが大事
「表面上の目的」から「真の目的」まで掘り下げること
最終的に相手に感じてほしいことはなんなのか?結局、自分は何が伝えたいのか?
ゼロから文章を作ろうとすること
アイデアはゼロから生み出すことは難しい
アイデアは既存の事象の組合わせ
文章の素材となる情報を集めておくことが必要
文章の素材とは
文章の素材は3つ
独自の事実
印象的なエピソード
説得力のある数字
つまりは、一次情報とFact
二次情報を使うにしても、情報源は信頼できるところで
素材が文章の9割を占める
充実した素材があれば400字を10分程度で書ける
文章の長短は素材の量の差でしかない
効果的な素材の集め方
日常的にアンテナを立てる
書きたいことがあれば、自然と素材に意識が向く
カクテルパーティー効果?
スマートフォンのメモ機能を活用
アイデアは形にしないとすぐに消えてしまう
すぐにメモできる環境を整える
メールの下書きフォルダなどに保存
すぐアクセスできるクラウド上のデータベースで一元管理がいいという話
似たテーマでグループ化
「葉」(個々の素材)から「枝」(テーマ)を見出す
枝ごとに扱うことで取り回しがしやすい
超スピード文章術の5ステップ
書く目的と読者を決定
文章の真の目的を明確にする
具体的な読者像を設定する
文章の素材を集める
目的と読者を意識しながら素材を集める
事実、エピソード、数字などを積極的に集める
素材を組み立てる
読者に伝わりやすい順序で並べる
「目の前の人に話すとしたら」という視点で考える
一気に書きとおす
細かい表現にこだわらず一気に書き上げる
完璧を目指さず、まずは「粗々」で書く
見直す
客観的な視点で文章を見直す
読みやすさとわかりやすさを向上させる
全体の論理構成から細かな表現まで段階的に推敲する
claudeなど生成AI活用してもいいだろう