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炭水化物の「質」が女性の美と健康を変える〜エピジェネティック年齢から考える食生活

ダイエットや美容を気にする女性の間では、「炭水化物は太るから控えたほうがいい」「糖質オフがベスト」という声をよく耳にします。確かに過剰な糖質摂取は肥満や生活習慣病のリスクを高める恐れがありますが、近年の研究では質の高い炭水化物を選ぶことが身体の“若さ”にも関わっている可能性があるのです。

本コラムでは、アメリカの最新の横断研究をもとに、炭水化物の質がどのようにアンチエイジングに関わるのかを解説します。

エピジェネティック年齢って何?

論文の話をする前に、「エピジェネティック年齢」という言葉について解説したいと思います。エピジェネティック年齢とは、DNAメチル化(DNA methylation)と呼ばれる遺伝子レベルの化学修飾をもとに推定される「生物学的年齢」のことです。

暦の上での年齢(いわゆる実年齢)とは別に、体内の細胞や臓器システムがどの程度“加齢”しているかを評価する指標として注目されています。

最近の研究では、生活習慣や環境要因がDNAメチル化のパターンに影響を与えることがわかってきました。例えば喫煙や激しいストレス、過度な飲酒、栄養バランスの偏りなどがDNAメチル化を変化させ、生物学的な老化の速度に影響を及ぼす可能性があると考えられています。

今回取り上げる研究は、このエピジェネティック年齢に炭水化物が与える影響を調査しました。

CARDIA研究とは

CARDIA研究は、1985~86年にアメリカでスタートした、若年期(18~30歳)の黒人・白人男女を対象にした大規模コホート研究です。主に心臓や血管の疾患リスクを長期的に追跡するために行われており、定期的な検診(2年目、5年目、20年目、30年目など)で生活習慣や健康状態のデータを収集し続けています。

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