ローテーターカフを詳しく知る!(5)肩甲下筋の特徴とトレーニング。
ローテーターカフとは、肩のインナーマッスルの総称で、日本語では「回旋筋腱板」と呼ばれます。過去の記事では、ローテーターカフに分類される4つの筋肉のうち、棘上筋、棘下筋、小円筋について解説してきました。
今回解説するのは「肩甲下筋」です。
肩甲下筋の構造的特徴
起始:肩甲下窩
停止:上腕骨小結節
作用:肩関節の内旋
肩甲下筋は、付着の範囲が広くローテーターカフで最も筋出力が大きい筋と言われています。また、ローテーターカフの中では唯一の「肩関節内旋筋」です。
起始部は肩甲下窩にありますが、文献によってはその繊維が5~7つに分けられているとも言われています。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、図のような感じです。
こうした繊維のうち、図の①〜③は腱性組織で形成されており、ローテーターカフを形成しています。図の④⑤の筋肉繊維を切除すると、肩関節の屈曲や外転の機能が大きく改善されたという研究があります。このことから、肩甲下筋の下部繊維の拘縮は、肩関節の可動域制限にもつながると言えるでしょう。逆に言うと、肩甲下筋の下部繊維は肩関節の安定化に寄与しているとも言えますね。
また、図の④⑤は筋性組織で形成されており、上腕骨の前方の関節包や筋肉と筋連結を持ちます。
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