トップアスリート・トレーニーにこそ野菜・果物が必要な理由〜運動による酸化ストレスを軽減させよう〜
健康や食事というテーマで、よく耳にする「酸化ストレス」。食生活によってだけでなく、運動やスポーツでも酸化ストレスは発生します。激しい運動をすると、体内で活性酸素が発生します。この活性酸素が、酸化ストレスの原因となるわけですね。
運動によって生じた酸化ストレスを上手に除去する方法はないのでしょうか?2024年に発表された研究は、非常に運動量が多いことで知られるサッカー選手を対象に、ある研究を行いました。
その内容は、「アスリートたちの菜食が、酸化ストレスをどの程度軽減しているのか?」というもの。今回はこの研究をチェックしつつ、アスリートにとって野菜がいかに大事かを見てみたいと思います。
サッカー選手と一般人の酸化ストレスレベルを比較
今回の研究は、イラン在住のサッカー選手45名と、健康な一般人男性45名の合計90名を対象として調査されました。90名はいずれも20〜30歳でBMIの数値は20~25の範囲です。今回集められたサッカー選手は、主に以下の条件によって選ばれています。
過去2年間のサッカー経験がある
週3~4セッション(1セッションあたり1.5~2時間)のトレーニングを行っている
飲酒、喫煙をしていない
抗酸化物質のサプリメントを摂取していない
一般人も、こうしたアスリートに近しい項目をクリアしている人から選ばれました。調査では参加者全員に対して問診を行い、一般的な栄養状態、病歴、身体活動、食事摂取に関するデータを得た後、身体測定と採尿を実施しています。加えて、FFQを実施して栄養摂取状況を調べました。DDQというのは「食物摂取頻度調査」のことで、アンケート調査を通じて普段の食事や栄養摂取の状況を調べる方法です。
FFQによる調査を通じて、PDIを算出。PDIは日本語で「植物ベースの食事指数(植物性食品指数)」のことで、カンタンに言えば「どれくらい植物由来の食品を食べているか」を数値化したものです。
ちなみに、PDIはさらに「hPDI」と「uPDI」にそれぞれ分けられます。hPDI(healthful Plant-Based Diet Index)は、健康的な植物性食品の摂取を評価するための指数です。逆にuPDI(unhealthful Plant-Based Diet Index)は、健康に良くない植物性食品の摂取を評価するための指数です。
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