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脊柱の歪みを知るためのアライメントチェックとアプローチ方法。腰椎、胸椎、頚椎の可動域を確かめて痛みの軽減・可動域アップにつなげる

健常者の方のイメージ的には、皆さん綺麗にまっすぐ、積み木のように綺麗に重なっているというイメージがあるかもしれません。しかし整形外科の先生などに話を聞くと、教科書通りにまっすぐかつキレイな湾曲をした脊柱のアライメントを持つ人は、ほぼいないと口にするでしょう。

たいていの場合、側屈や回旋が起きているなど、さまざまなアライメント不良が大なり小なり私たちの脊柱には起きています。今回はそんな脊柱のアライメントをチェックして、改善するための方法を解説します。

まずは全体のアライメントをチェックする

まずは全身、足関節や股関節、寛骨に腰椎・胸椎・頸椎のすべてをトータルでチェックできる方法を解説します。クライアントを立位にし、腕の前で手をクロスさせましょう。

その状態から、ちょっと軽く内転筋に力を入れつつ、両足にかかる荷重を変えないようにして左右に回旋します。このとき、頸椎も同方向に回旋捺せましょう。

このように、最初は全体を通じてのアライメイト評価を行います。ちなみに、画像では分かりにくいですがクライアントは左回旋があまり上手ではありませんでした。

このアライメントチェックで重要となるのは、可動域を制限する要素が脊柱に限らないという点です。例えば、下の画像のように右足関節を回外させます。この状態で左回旋しようとしても、ほとんどの人はうまく回旋できません。

脊柱が左回旋するとき、右の足関節は回内、左の足関節は回外といった動作が行われます。足元の動作を逆にするだけでも、人間の回旋パフォーマンスはガクッと落ちてしまうのです。

ここまでとはいらずとも、例えば足関節が硬くうまく回内・回外動作ができない場合、それでもなんとか脊柱の回旋可動域を発揮するために、腰椎や他の部位が過剰に動くといった代償動作が生まれやすくなります。結果、これらの部位にストレスが集中して腰痛になるわけです。

このことから、腰痛を訴えるクライアントの場合、その原因がもしかしたら足関節にあるかもしれないことが分かります。実際、私の経験上でも「腰が痛い」というクライアントに対して、腰そのものにアプローチして根本的な腰痛改善につながるケースは稀です(一時的な痛みの緩和にはつながります)。

もしも腰痛のクライアントの脊柱アライメントをチェックするとき、足関節の可動性にも注目してみてください。

徐々に部位を制限して可動域をチェックしていく

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