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先送りは脳のせいかも?前頭前野を鍛えて生活の質をアップデートする方法
「今日からダイエットを始めるぞ」と意気込んだはずなのに、気づけばお菓子の棚の前に立っている。トレーナーとして、こうした悩みを抱えるクライアントの相談に乗ることは多いのではないでしょうか。
逆に、トレーナーはトレーナーでやるべきタスクを前にパソコンを開いても、なぜかSNSを延々と眺めていることがあるかもしれません。
こうした“先送り”や“やろうと思うのにできない”状況に心当たりのある方は少なくないでしょう。こうした悩みの裏には「前頭前野」という脳の領域働きが大きく関わっている可能性があります。
前頭前野の役割
脳には、大まかに分けて前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉という四つの領域があります。そのうち、頭の前方に位置する前頭葉は、人間の高度な行動や思考を制御する司令塔のような役割を担っており、その中でも特に重要なのが「前頭前野」と呼ばれる部分です。
前頭前野は私たちが意志決定を行うとき、自分の行動をコントロールしたり、複数の情報を整理したりする上で中心的な役目を果たします。
具体的には「やろうと思った行動を実際に開始する力」「計画を立てて最後までやり抜く力」「自分の感情をコントロールする力」「集中力や抑制力を働かせる力」など、多岐にわたる機能を司ります。
脳全体の中でも前頭葉は約30%を占める大きな領域ですが、その最前部の前頭前野が弱っていたり、神経回路がうまく働いていなかったりすると、日常生活において下記のような症状が現れやすいと考えられています。
集中が続かない、もしくは集中そのものが難しい
意思決定に時間がかかり、メニューや計画をいつまでも決められない
感情のアップダウンが激しく、不安定になりやすい
「やらなきゃ」と思っても行動に移せず、課題を先延ばしにしてしまう
無気力や気分の落ち込みが続きやすい
過剰にリスクを取ってしまう行動や、衝動的に何かを繰り返す癖がある
物事を順序立てて考えられない、あるいは途中で投げ出してしまう
これらは、前頭前野が担う計画力や意思決定力、抑制力や情動制御力などがうまく発揮できていない状態ともいえます。普段の生活で「こうなりたくない」と思っていても、ついつい同じ失敗や後悔を繰り返してしまうのは、実は“意志が弱い”というよりも、脳の機能が最大限に働いていない可能性があるのです。裏を返せば、脳をうまく鍛えて前頭前野の働きを活性化させてあげれば、同じ行動パターンを変えられるチャンスが生まれます。
まずはチェック! 前頭前野のコンディションを測る簡単テスト
前頭前野の働きが弱っているかどうかは、いくつかの評価方法でおおまかに知ることができます。今回ご紹介するのは、神経科学をベースとしたトレーニングでもよく取り入れられている簡単な方法です。
フィンガータッピング
まず片手の人差し指を軽く曲げ、親指の第一関節をトントンと叩くようにタッピングします。
指は大きく開き、毎回同じ場所をできるだけ正確に、一定のリズムでタッピングするよう意識してください。
右手・左手の両方で3~5秒ほど行い、スピードやリズムの安定度を比較します。
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