姿勢反射を極めて柔軟性アップを目指す。身体が硬い原因は脳にあるかも?
部活をしていた頃と比べて、明らかに柔軟性が下がった。昔ほど開脚できなくなった。そういった人はおそらく、運動不足によって筋肉が硬くなってしまったことが、柔軟性低下の原因だと考えるでしょう。
それももちろん要因の1つではあるのですが、身体が硬くなった原因は別にあるかもしれません。今回は別の要因として考えられる「姿勢反射」について解説しつつ、柔軟性を改善するための姿勢反射の機能を正常化させるエクササイズを紹介したいと思います。
姿勢反射とは
身体にはさまざまな反射の反応が起こります。そのうちの1つが姿勢反射です。全身の知覚機能が姿勢の変化を感じた時、反射的に全身の筋肉が緊張することによって、姿勢を保持したり運動時のバランス調整に働きます。分かりやすい例としては、電車などでつり革を握り立っている時、ついうたた寝しそうになって身体がビクっとなる反応だと考えています。瞬間的に身体が硬直することによって、そのまま身体が倒れ込むのを避けているわけです。
姿勢反射にも種類があります。体が静止している状態での姿勢反射を「平衡反射」、運動している状態での姿勢反射を「平衡性運動反射」とそれぞれ呼びます。
こうした姿勢反射によって、私達は転んで頭を打ったり骨折したりしないように、地面に対して常に垂直の姿勢を保持しようとします。この「地面に対して常に垂直である」という状態を、脳は認識しないといけないわけです。この情報―頭が前後左右に傾いている、走ったり歩いたりすることでいずれかの方向に加速しているといった情報―を知覚・処理するのに欠かせないのが前庭系です。
姿勢反射がうまく機能しないと柔軟性が低下する
ここがうまく機能しないと、姿勢のバランス維持ができなくなります。するとどうなるかというと、姿勢をうまく近くできない→不安定を覚えるため、筋肉に余計な力を込めることで姿勢を保持することによって、安全を担保しようとします。結果、筋肉が硬縮することによって柔軟性が低下してしまうというわけです。
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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