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トレーニング中、無駄な筋緊張を緩めることができない人へのアプローチ

トレーニング中、「力を抜いてください」というキューイングに対して、該当する部位(手足、首など)の筋緊張を緩めることができないクライアントは少なくない。整体やマッサージの現場でも、同様の現象がよく見られる。

余計な筋緊張が発揮されている例
・ラットプルダウンの際に僧帽筋に力が入ってしまう。
・ストレッチを行う際に手足に力が入ってしまい、ストレッチがしづらい
・普段からショルダーバッグを持っている側の肩が挙上したままになる

筋緊張が解けない要因としては、無意識に力んでしまっている場合や、故意的に脱力できない(腕をダランと下ろすことが怖く、反射的に力が入っているなど)などいくつものケースが考えられる。いずれのケースであっても、余計な筋緊張は身体に慢性的な負荷をかけ続けることとなるので、結果として痛みやだるさといった不調につながってしまう。

(1)脳は筋に「緊張する」「緊張しない」の信号しか送れない

様々な施術の現場では、ストレッチや施術を行う際に「○○の力を抜いてください」とキューイングする。これはマッサージやストレッチでよく見られる誤解だが、もともと脳は、筋肉に指令を出す際、「緊張する」「緊張しない」の2択の信号しか送れない。

つまり、「脱力せよ」という信号を送れないのだ(「緊張しない」=「脱力」ではない点に注意が必要だ)。「○○の力を抜いてください」というキューイングは、施術部位への意識が高まってしまい、意図しない形で筋緊張を促してしまう結果となる。

そのため、リラックス=脱力した状態を作るのなら、むしろ該当する部位を「意識させない状態」を作る方がいい。

通常の脱力された状態(手首がダランと垂れている)

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力が入ってしまっている状態(手首にわずかながら力が入っている)

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