ポジティブ思考・ネガティブ思考はどう生まれる?
トレーナーは、基本的に運動器や運動系のアプローチを用いて、身体に変化をもたらしていくことが多いですよね。しかし、ジムに来られるクライアントで、特に慢性的な不調を抱えている方の場合、トレーニング中の会話を介して良いフィードバックが起こることがあります。
この場合、クライアントは身体面ではなく精神面に不調の原因があったと言えるでしょう。実際に、パーソナルトレーニングに通うようになってから「ポジティブ思考になった」という声を聞くこともあります。
思考の癖の変化は、ボディメイクの成功でも非常に重要です。アスリートの現場においても、高い結果を出す選手には共通した思考があると言われています。今回は、そんな思考と脳科学の関係性について、お話ししていきます!
平均以上バイアス(過大評価バイアス)
バイアスというのは、思考の偏りのことです。私達の思考には、日々様々なバイアスがかかってしまうわけですが、とりわけよく見られるのが「平均以上バイアス」です。
「ポジティブな錯覚」とも言われるバイアスは、職種によっては9割以上の人に確認されているなど、実はかなりスタンダードな思考の癖と言えます。
平均以上バイアスというのは、簡単に言うと仕事、恋愛、勉強、コミュニケーションといった分野において「自分は平均より上にいるだろう」と人間は考えやすいというものです。
この考え方は「自分は平均よりも能力が高い」という慢心から生じるものです。トレーナー=指導者としては、まずこの事実を受け止める必要があるでしょう。「人は本来、自分を優秀だと思いやすい生き物である」ことを加味して、アプローチしていきましょう。
ここから先は
Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?