見出し画像

腰椎のモーターコントロールの評価+強化。パフォーマンス向上+怪我防止のエクササイズ

モーターコントロールは日本語で「運動制御」を意味します。理学療法士や作業療法士は必ず勉強する分野であり、簡単にいうと「身体の特定の部位体を自由自在に扱う能力」です。モーターコントロールがうまく機能しないということは、特定の動きをうまく制御=コントロールできないということ。

動きがうまくこなせないということは、身体の不安定性にも直結します。すると、安定性を確保するためにその動きに必要な関節の周辺の筋群が緊張してしまい、可動域の制限や慢性的な痛みに繋がってしまいます。

アスリートであれ一般人であれ、モーターコントロールの向上は非常に重要です。今回は、腰椎におけるモーターコントロールの評価およびアプローチを紹介します。

立位での評価+アプローチ

まずは立位で行える種目を解説します。腰椎のモーターコントロールで活用したいのは「ヒップヒンジ」で、やり方は以下の通りです。

  1. 立位で股関節あたりに手を添える。

  2. 背中を丸めず、骨盤の前傾を維持したままルーマニアデッドリフトのように上半身を倒していく。

スキージャンプでの滑走時やゴルフなんかのスイング時、バスケットボールでのディフェンス時などでは、写真のように股関節を屈折させてかがむ姿勢を取ります。トレーニーには簡単に見える動きですが、パーソナルトレーニングに訪れるクライアントにこの動作を指示すると、意外とちゃんとできない方が多いです。

起こりがちなエラーは、いわゆる「腰椎骨盤リズム」の同側性の運動が起こります。腰椎骨盤リズムとは、骨盤の前傾・後傾といった動きに連動して腰椎が動いてしまうということ。今回のケースで言えば、股関節の屈曲動作に伴い、骨盤の後傾と腰椎の後弯が起きてしまうことを意味します。端的に言うと、背中も腰も丸まってしまうわけです。

本来はモーターコントロールを働かせて股関節だけを曲げ、腰椎のポジションは維持しないといけません。ヒップヒンジはデッドリフトやスクワットの動作改善のコレクティブエクササイズとしても活用できますが、腰椎の問ーターコントロールレベルを測る上でも非常に重要な種目です。

もう一度言いますが、正しいフォームでヒップヒンジができない人はたくさんいます。その場合、次に紹介するエクササイズを行いましょう。

ここから先は

1,593字 / 8画像
月に3本記事更新いたします。 実際に現場でご利用いただけるよう脳について初心者向けから応用編へと少しずつ難易度を挙げていきます。 数年間購読し続けることで体の機能を高めるために必要な脳への知識が身に付きます。

Brain Special Magazine

¥1,980 / 月 初月無料

運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?