混沌戦記ー斯くして少年は世界を救う英雄とならんー 第4話「逆三戦法」
前エピソード:迫り来る脅威
S1.NOTE運輸株式会社・社屋
社屋の前。英汰達第6小隊と三好達第10小隊の面々がいる。
三好「アレだ」
チラッと、奥の方にあるアウトレットを見る。
三好「ロバスト帝国が、アウトレットを中心とした商業施設を尋常なじゃない人数で占拠した。俺達だけでは、力が足りん」
回想・大量の兵士、弓兵、騎兵、騎士が立っている姿。
播磨「だから、第7臨時基地に応援を要請したと」
頷きながら言う。
三好「その通りだ」
笑顔で頷く。
三好「第6小隊と第10小隊、そして、第8臨時基地から来る増援で、商業施設を帝国の連中から、奪回する」
腕組して言う。
英汰「制圧作戦ですね! 」
笑顔で言う。
三好「坊主、その通りだ! 」
笑顔で返答。
播磨「コラァ! 英汰! 」
突っ込む。
S2.住宅展示場・入り口前
入り口前。『NOTE住宅展示場』と言う表札。
S3.住宅展示場・内部
内部。前方に駐車場と展示場案内所と木々が植えてある、後方に、3×5棟の並びの様式の新築の二階建て住宅。5m前後の通路、中央の通路に、テントがある。
住宅展示場のあちこちに、旗が設置。近くに、地続きで、アウトレットが立っている。通路で、数名の兵士が警備。
S4.倉庫
建物に、『NOTE運輸倉庫』と書かれた大型の倉庫。住宅展示場の向い側に建っている。
倉庫の片隅で、住宅展示場の様子を見ている英汰達。
三好「警備の人数の少ない住宅展示場から突入するぞ」
英汰達を見ながら言う。
播磨「問題は、肝心のアウトレットか」
額に汗。
三好「89のサスプレッサーで、展示場を制圧する」
サスプレッサー付きの小銃のアップ。
英汰「そして、一気に行く! 」
真剣な表情。
三好「坊主、その通りだ」
ニヤリと笑う。
S5.住宅展示場・内部
内部。中央で、数名の兵士が警備中。
2名のサスプレッサー付きの小銃を携帯し隊員が、前に出て、素早く立ち撃ちで小銃を撃つ。倒れる兵士達。
隊員12「此処は、我々が引き受けます! 」
数名の隊員が展示場に残る。
三好「よし! 突入するぞ! 」
小銃を携帯した三好が登場。
一同「了解! 」
英汰達も登場する。
小銃を携帯して、一気に英汰、播磨、三好を中心に隊員達が、住宅展示場を走る。
S6.アウトレット・全体
アウトレット。二階建て兼二棟建物。建物の上部に、『NOTEアウトレット』と言う標識。建物に、非常階段、テナントの表示が設置。建物の正面に、入口、階段、渡り通路がある。広い駐車場も存在。左側に住宅展示場、右側にホームセンターが建っている。ホームセンターにも、馬上騎士、兵士、長弓兵達が居る。
S7.アウトレット・駐車場
駐車場。車が全くない状態。
英汰達が到着。
英汰「!? 」
何かに、驚く。
駐車場で、多量の帝国の兵士達が、隊列を組んで並んで立っている。また、警備する兵士達も存在。今正に、出撃しようとする帝国軍に出くわす英汰達。
英汰「ウワァ」
唖然とする。
播磨「マジでか」
冷や汗。
三好「嗚呼、やっぱり」
苦笑い。
自衛隊と帝国軍の間に緊張感が走る。
播磨「途中下車の意味が分かりました」
三好をチラっと見て言う。
三好「この人数で車で来ると、一発で分かるな! 」
兵士達を見ながら言う。
英汰「どっちが、先に仕掛ける? 」
小声で呟く。
隊列の近くの長弓兵達が弓を引こうとする。
播磨「今だ! 」
狙撃銃を構える。
隊員達が各銃を撃つ。
被弾し倒れる長弓兵達。
英汰、素早く膝撃ちの体勢になり、小銃を構える。
三好も立ち撃ちの姿勢で構える。
三好「仙仁を中心に、逆三角形で陣を作るぞ!」
叫ぶ。
三好「俺の小隊が右! 播磨の小隊が左だ! 」
一同「了解」
叫ぶ英汰達。
三好「第10小隊! 右に展開! 」
播磨「第6小隊! 左に展開! 」
其々の小隊が、小銃を撃ったり、構えならが、左右に移動。
英汰を中心に、三好の小隊が右側、播磨の小隊が左側で、鶴翼の陣の様な形になる。
警戒する兵士達。
三好「増援が来るまで、持ち堪えるぞ! 」
隊員達を鼓舞する。
英汰達を襲撃する兵士達。
剣で攻撃する兵士を英汰が小銃で撃ち倒す。
播磨「弓兵と敵の援軍は逃すな! 」
狙撃銃を構えて、仲間達に鼓舞。
ホームセンター側から来た短剣を持った兵士達を狙撃銃で、撃ち倒して行く。
遠距離に居た長弓兵が、播磨達に向かって、弓を引こうとする。
隊員13「させるか! 」
隊員13、長弓兵に気付き、手榴弾用弾薬嚢から、手榴弾を取り出し、安全ピンを抜き、長弓兵に向って、手榴弾を投げる。
爆発する手榴弾。
隊列を組んでいた兵士達が鉾槍を持って、三好達に攻撃を仕掛ける。
三好「撃ちまくれ! 」
叫ぶ。立ち撃ちで、小銃を撃つ。被弾し、次々倒れる兵士達。
英汰「上等だぜ」
英汰、立ち撃ちの姿勢になり、次々と攻撃してくる兵士達を撃ち倒す。
三好「よし、皆! 前進だ! 」
三好の一言で、英汰達が、小銃を撃ちながら、前進する。
帝国軍兵士達が、被弾し、倒れていく。
前進する英汰達を見て、怖気づいて、逃亡する兵士達。
ホームセンター側から、鉾槍を持った兵士や馬上騎士、重装騎兵達が出現。
英汰「新手! 」
小銃を構える。
三好「そろそろ来るか」
ニヤリと笑う。
バイクの車輪のアップ。二台のKLX250(バイクに略)に乗った自衛官(偵察隊員に略)のアップ。
後方に12.7mm重機関銃(機関銃に略)を装備した軽装甲機動車(LAVに略)と、機関銃を装備した96式装輪装甲車(装甲車に略)の車輌群が登場。アウトレットに入る車輌群。
バイクに乗った偵察隊員が、流鏑馬で小銃を撃ち、アウトレットの兵士を撃ち倒す。
もう一台のバイクが、英汰達の所で、停車する。
三好「お疲れ様です! 増援有難うございます! 」
バイクの偵察隊員に敬礼。
偵察隊員1「三好一曹、遅くなって、すいませんでした」
バイク上で敬礼。偵察隊員は、89式小銃(小銃に略)を携帯し、迷彩戦闘服、半長靴、サスペンダー、弾嚢、ヘルメット、ゴーグルを装備。
三好「!?」
叫びながら、アウトレットに迫り来る馬上騎士達。
偵察隊員1「騎士達は任せてください! 」
と言って、車輌群に戻る。
アウトレットに入り、迫り来る馬上騎士達帝国の援軍。
其処へ、バイク、車輌群が立塞がる。
自衛官達が、車輌群を降りて、立撃ちで、小銃を撃つ。
バイクを降りて、盾にし、小銃を撃つ偵察隊員達。
機関銃を撃つLAVと装甲車。
被弾して、倒れていく、騎士達。
三好「坊主! アウトレットに突入するぞ! 」
英汰「了解! 」
小銃を構えながら言う。
三好「第10小隊の命知らず共! 俺について来い! 」
近くの部下達に叫ぶ。
隊員達「了解! 」
複数の隊員達返答。
英汰、三好、5、6名の隊員が、アウトレットの正面入り口に突進。
S8.アウトレット・内部
内部。中央に木が植えられている。左右の建物には、テナント、複数の柱、椅子がある。煉瓦の通路が敷き詰められている。
内部に潜入する英汰、三好、隊員達。
英汰「!? 」
内部の奥に、複数の兵士に護衛されている鎧の騎士(騎士1に略)がいる。
三好「彼奴が、此処のボスかも知れん! 」
騎士1のアップ。
英汰「だったら、直で突撃ですね! 」
小銃を構えて言う。
三好「坊主! 正解だ! 」
ニヤリと笑う。
突進する英汰達。
複数の柱に隠れた兵士達が、飛び出して、剣で短剣で攻撃しようとする。
英汰「何の! 」
素早く、左右に小銃を撃つ。被弾し、倒れる兵士達。
三好「第10小隊! 撃て! 」
三好達も、一斉射撃を行う。被弾し、倒れる兵士達。
奥に居た、兵士達も、英汰達に向かって、走って、短剣で攻撃してくる。
隊員14「三好一曹! 」
叫ぶ。
三好「攻撃続けろ! 」
小銃を撃ちながら言う。
英汰、三好、隊員達の一斉射撃。
銃弾が被弾し倒れる兵士達。
三好「全滅したか? 」
倒れた兵士達の奥に、スクトゥム(盾)が立っている。
盾を捨てて、騎士1が立ち上がり、ツーハンデッドソード(両手剣に略)を持って、英汰達に、走って斬り掛かろうとする。
三好「坊主! 」
英汰、小銃を構える。
英汰「俺が引き受けます! 」
英汰の目のアップ。
小銃を構える英汰と両手剣で攻撃しようとする騎士1の両者の画。
英汰達、引き金を引く。銃弾が発射されて、被弾し倒れる騎士1。
隊員14「やったか? 」
警戒して、状況を見る三好達。
三好「!? 」
血塗れの騎士1が立ち上がる。
英汰、冷静に小銃を構える。
しかし、直ぐに倒れる騎士。
騎士1「スタイケル・・・」
と言い、息絶える。
英汰「一曹、終わりましたね」
騎士1を見ながら言う。
三好「坊主、その通りだ」
三好も、倒れた兵士達を見て言う。
英汰「因みに、俺坊主じゃなくて、仙仁英汰と言います」
下を向いて言う。
三好「スマンかった」
横を向いて返答。
S9.アウトレット・駐車場
駐車場。
戦闘が終了。自衛隊が勝利で終了。
隊員9「播磨二曹、何とか生き残りましたね」
播磨に、駆け寄り、声をかける。
播磨「嗚呼」
狙撃銃を携帯しながら言う。
播磨「第8臨時基地に連絡して、此処の処理を行う様に連絡しよう」
隊員9「了解! 」
周囲を見渡す。駐車場に、戦闘で倒された帝国の兵士達の亡骸が横たわる。
播磨「状況によっては、俺達第7臨時基地の隊員も手伝うと言ってくれ」
隊員9「分かりました」
播磨が、チラッと、道路の方向を見る。道路の先に、大きな国道の道路が見える。
播磨「ん? 」
何かに、気付く。
隊員9「二曹、どうしました? 」
播磨「前の免許センターの近くにも、大きい国道のバイパスがあったな・・・」
額に汗。脳裏に、前回の運転免許センターの場面が思い浮かぶ。
英汰、隊員達の見えない所で、倒れた兵士達の亡骸に手を合わせて拝む。
S10.公民館・正面玄関
正面玄関。
S11.公民館・事務室
事務室。
播磨「第6小隊、只今戻ってきました! 」
英汰達、第7臨時基地に戻って来る。
英汰「誰も居ない? 」
無人である事に気付く。
隊員15「第6小隊の皆さん! 至急会議室に来てください! 」
ドアを開けて、隊員が急いでくる。
播磨「何かあったんですか? 」
駆け寄る。
隊員15「緊急事態です! 」
播磨や英汰達に向かって言う。
(第5話に続く)