書評『夢幻花』×忘れられない忖度
誰にでも触れられたくない過去はあるだろう。
もちろん僕にもある。
突然ですが、本の書評です。
今回は東野圭吾さんの「夢幻花」です。
主人公は男女2人。
男の子は蒼太。なんだか家庭がギクシャクしていて居心地が悪く、地元が東京なのにも関わらず、大学の進学先を大阪にする。もちろん、実家から離れるためだ。そこで、原子力についての研究をする。
女の子は梨乃。あるきっかけで、水泳で好成績をあげ、その後才能が開花。オリンピックを狙うまでの選手になった。ところが、ある日突然、ゴール付近で度々パニックに陥る症状になり、競技からは遠のくことに。
そんな梨乃の祖父の趣味は花の栽培。独り暮らしの祖父の庭では、たくさんの花が育てられていた。その中には黄色いアサガオの花が。
ある日、祖父が突然、何者かに殺される。
自分の未来に自身を失い、未来に希望が見えない2人の男女が、様々な壁にぶつかりながらも、事件の真相に迫る。
僕の学生時代は、比較的リーダー的なポジションを任されることが多かった。
・小学校は学級委員
・中学校は生徒会長。部活の部長。
・高校は部活の部長。
・大学はサークルの部長。
そんな中、僕は振り返りたくない過去がある。
中学1年生のとき、僕が原因で友達を不登校にしてしまった
仲の良い友だちだと、僕は思っていた。
コミュニケーションとして、イジっているに過ぎないと、僕は思っていた。
友達もじゃれ合いの一環だと思ってくれていると、僕は思っていた。
ところが、突然、その友達は学校に来なくなった。
すると、担任の先生に呼ばれ、事情を聞かれた。
その言葉から察するに、どうやら僕ともう1人が原因らしい。もう1人とは、よく一緒にじゃれ合っていた友達だ。
僕たちは放送室に呼び出され、聞かれた。
「彼に何をしたんだ?」
と。
正直困った。僕たちは共に、友達としてミュニケーションをとっていただけと思っていたからだ。
僕たちは答えた。「いつもどおり遊んでいただけです」と。その言葉を聞いた先生は、
納得してくれなかった
そんなワケ無いだろ。いじめてたんだろ。的な雰囲気で。さらに、「本当のことを言えよ」「殴ったり蹴ったりしたんだろう」と、問い詰められた。
ショックだった。
僕は、からかったりはしていたが、殴ったり、蹴ったりはしていない。だが、その担任の先生は信用してくれない。
あえなく僕は、強く殴ったり蹴ったりしたという「ウソの報告」をした。これくらいだったら納得してくれるだろうなぁ。という忖度を十分に働かせた報告だ。
僕は、1人の友達を不登校にしてしまったこと。信頼する先生に、自分の話を信用してもらえなかったこと。
この2つの出来事を、今でも鮮明に覚えている。
僕は今、教職の道を生きている。
僕が、貫いていることは、
・生徒の話を最後まで聞くこと
・生徒の言ったことは100%信じること
僕の軸を、もう一度振り返ることのできた本でした。
今日はこのへんで。
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