掛川でどんな体験ができる? 子連れ1泊2日で触れた、静岡県掛川市あたりの素敵なところ。
ランサーズ「新しい働き方LAB」第4期研究員として、静岡県掛川市にある「ポートカケガワ」のプロジェクトに参加しています。
掛川市での、いくつかのプロジェクトのメンバーが参加するミートアップイベントがあり、子連れ参加も可能とのことだったので、息子を連れて参加することにした。
この機会に、夏の「体験」をさせてあげられたらいいなという思いもあった。
しかし結論から言うと、またも、思っていたような「体験」はさせられなかった。
森の中の、自然に囲まれた宿を予約。近くに川遊びのできる場所もある。もし息子の気分が乗らなくても、そこに行くだけでも自然に触れられるだろうと思っていた。
しかし出発前日の夜、掛川で豪雨。当日の朝、宿の方から「道は通じると思うし、土砂災害警報も解除されてはいるが、川遊びは難しいし、また降るかもしれないし、どうされますか」とお電話が。宿泊だけならおそらく大丈夫だろうとは思ったが、万が一何かあったらと、キャンセルすることに。
急きょ予定が空いてしまったが、息子が子ども向け鉄道雑誌で見た静岡鉄道に乗りたいと言うので、とりあえず向かうことに。宿は、掛川駅前のホテルにまだ結構空きがあった。
1日目はひかり、静岡鉄道、東海道線。2日目は天竜浜名湖鉄道、こだま、ひかり。電車ばかりの旅。
翌週、保育園に迎えに行くと、息子はレゴで「天竜浜名湖鉄道」を作っていた。
息子が楽しかったのなら、いいか、と思うしかない。
育てるとか、教育とか、親がいいと思ったものを与える、というのは、私にとっては、本当に難しい。
「自然に触れて育ってほしい」、たった一つの願いすら、なかなか叶わない。
ただ、念願の静岡鉄道に乗って、先頭車から前を見る息子の目は輝いていた。
掛川市に降り立ったのは初めて。せっかくなので、私の感じた掛川の魅力を。
天竜浜名湖鉄道(天浜線)
静岡駅から東海道線で掛川に着いて、少し向こうのホームに停まっている天竜浜名湖鉄道の車両が目に入った瞬間、息子は目を輝かせた。
「あれに乗りたい」と息子は言い、翌日の予定はそれで決まった。
翌朝、転車台ツアーに間に合う電車の発車時刻まで余裕がなくて焦っていた私。改札を通ろうとすると駅員さんが「この子何歳?」と。親と乗れば未就学児は無料なのに、子ども用の切符を買ってしまっていた。改札で返金してくださる。ありがたい。
乗ったのはSUZUKIのバイク「KATANA」のラッピング車両。
この後見かけた車両にも「YAMAHA PAS」(電動自転車)やはちみつの会社などのラッピングのものがあった。
ラッピング広告を出しやすくしていたり、地元の有力企業がラッピング広告を出していたりすることで、ローカル線の存続につながっているのかなあ、いいなあ。(前日に乗った静岡鉄道もラッピング車両が色々ありました)
車両の先頭付近には、息子以外にも、鉄道好きっぽい子どもや大人が立っていた。
途中の駅で、運転手さんが息子や、乗っている子どもたちに、天浜線の絵が描かれたクリアファイルをプレゼントしてくださった。びっくり、嬉しい。帰りの電車でも、運転手さんが途中駅でわざわざ鞄から出して、天浜線の車両カードをくださった。ありがたすぎる。
天竜二俣駅での転車台などの徒歩見学ツアーは毎日開催されていて、予約なしで参加できた。電車の時間に合わせたスタート時刻。約40分で、4歳でも歩いて無理なくついていけた。電車に乗るだけではなく、その場所ならではの体験ができるのはありがたい。(要予約の乗車体験も面白そうだったけれど、徒歩ツアーもかなりの満足度でした)
体験が終わるとお昼どきなので、お昼ご飯の食べられる場所(できれば子どもと行ける場所)がさらに充実すると滞在時間が延びそうだな〜と思いました。
天竜二俣駅は浜松市だし、掛川だけの話ではないのですが。
静岡県は私鉄が充実していると気付いた。天竜浜名湖鉄道の他にも、静岡鉄道、大井川鐵道、伊豆箱根鉄道、遠州鉄道、岳南鉄道、伊豆急行、とか。息子のような子鉄たちには宝の山。
お茶の文化が根付いている。
ご飯屋さんや、ホテルの朝食会場で、冷たい緑茶が出てくる。おいしい。嬉しくなる。掛川茶、静岡茶なのかな。昔読んだまんがの「ちびまる子ちゃん」に、静岡人はよくお茶を飲む、という話が出てきた記憶があるが、それを実感した。
妊婦さんとか、カフェインを摂りたくない人はどうしているのかな、ともちょっと思った。美味しいお茶があちこちにあるのに飲めないのはちょっとつらそう……。
そして、駅のコンビニには、地元の会社の抹茶スイーツがめちゃたくさん並んでいた。お茶の文化がこんな形でも浸透しているのかと驚いた。なんとか買って帰った「抹茶くずねり」、美味しかった。
妊婦さんとかはこれもあまり食べられないよなあ、誘惑との闘いがハードそう……。
駅に隣接する「matcha KIMIKURA」も、抹茶スイーツのお店だった。息子とかき氷。寒蜜いちごも抹茶ティラミスも美味しかった。
店内には、お洒落した女子が一杯。後で聞くと、コンサートに来た人が多いのではとのことだった。掛川市のお隣、静岡県袋井市にある「エコパアリーナ」に首都圏から新幹線で向かう場合、掛川駅で在来線に乗り換えることになる。私が行った日は、なにわ男子のコンサートが開かれていたそうだ。
でも、なんとなくだけど、地元の子もいたような気もした。新しくて、映えるスイーツもあるこの場所が、お洒落して行く目的地になっているんじゃないかなあと。(でも、カップルもほぼいなくて女子ばかりだったから、やっぱりなにわ男子ファンだったのかなあ。。。)
木材を使う文化が根付いている。
掛川市立中央図書館の内装にも、木が使われていた。
静岡県は木材の産地でもある。私は天竜杉のイメージを強く持っていたけれど、それだけではないらしい。掛川市でも森林組合が活発に活動されているようだ。
図書館の木については、いくつか調べても、地元産木材とは書いていなかった。2001年にできた建物なので、地元の木材を使う動きも今ほどではなかったのだろうと思う。
掛川城の天守閣は、日本で初めて木造で復元された本格的な天守閣だ。
復元天守閣の開門から今年で30年とのこと。まだ木もそこそこ新しい感じで、リアルとか、歴史を感じるというのは割と薄いように感じた。でも、これだけ木を潤沢に使った空間にいるのは何だか心地よかった。
ちなみに天竜浜名湖鉄道の古い車庫も、地元の木材で作ったものだという。
上質な木の空間に、子どものころから当たり前のように囲まれていたら、それとは違うものに違和感を覚えるようになるかもしれない。将来、例えば家を建てたり、お店や場などをつくったりするときに、木の空間、特に国産材や地元産材を好んで選ぶかもしれないなと思う。
岐阜県でも「ぎふ木遊館」があったりするけれど、それだけじゃ足りないような気がしてしまった。たまに行く遊び場という、非日常な空間だけじゃなくて。家とまではいかなくても、もっと日常的な場、よく行く場が木の空間だったら、子どもの感覚に与える影響は大きいような気がする。
違う話だけど、ぎふメディアコスモスに小さいころから通っている子どもたちにとっては、素敵な建築の中にいる感覚が当たり前になるのかもしれない、とふと思った。
ポートカケガワ
今回、プロジェクトに関わらせていただいているポートカケガワにも初めてお邪魔した。
掛川駅とお城の間で、どちらからも徒歩で行ける。
昔の城下町、今は中心市街地のエリアなのだろうか。蔵のような、城下町っぽい建物もいくつかある。おしゃれっぽいお店もいくつかある。
その一角の建物の2階にあるポートカケガワ。きれいな空間で、そこにいる人たちも素敵だった。さまざまなプロジェクトを行っていて、さまざまな人が出入りする。こんな場が家の近くにあったらいいなあ。そして、こんな場に子どものころから出入りしていたら、人生に影響を与えそうだなあ。親と先生以外の大人に会える場は本当に貴重だ。
走る本屋さん 高久書店
息子が絵本のコーナーでいくつか立ち読みさせていただいたのですが、息子が保育園で読んで図書館でも借りて気に入っていた本とか、本屋さんでよく見る本とか、それほど広くない書棚につぼを押さえた面白そうな本がずらりと並んでいて驚いた。
それ以外のコーナーにも、私が高校生のころ「新潮文庫の100冊」のパンフレットを見ながら借りて読んでいたような、個人的にエモすぎる文庫本たちや、背表紙を眺めるだけで「読みたい…!」と思う本の群れが。
聞いてみると、すべて店長の高木久直さんが選書されているとのこと。「長年やっているので、どのジャンルもある程度わかりますよ」とおっしゃっていた。すごい。。。こんな風に出会える本屋さんがあるまちに住めるのはいいなあ、と思う。
そんなこんなで。
自然体験は、涼しくなって外遊びもしやすくなる秋に期待したい。。。
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