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ほしい緑。【ひねくれ育児日記】

緑がない。

夏の炎天下に子どもを連れて散歩に行くのは難しい。できるだけ朝か夕方に行くようにしているが、タイミングが難しくて、準備が整ったら暗くなりかけていたり、日が高くなって本格的に暑くなりかけていたり、子どもが寝てしまったり。
家から一番近い、ある程度の量の緑のある公園までは、徒歩で片道15分くらいかかる。炎天下に15分は厳しい。朝か夕方になるが、前述のようにタイミングが難しい。そして15分かかるとなると、タオルとか着替えとかある程度持っていかないと心配だ。気合いが要る。そんなわけでなかなか行くことができない。

家の近くにも、施設に付属する広めの庭園があって、木も芝生もある。でも、緑に囲まれているというほどの感覚にはならない。しかも、限られた面積の中に結構たくさんの家族がいることが多いので、なかなかゆっくりできない。

そしてどちらの場所も、なんとなくじめっとしている。すぐ蚊に食われる。

家から出たら田んぼとか、いいなと思う。すぐに緑に触れられる。家から出たら山が見えるとか、いいなと思う。
もちろんそういう場所には虫はいるだろう。虫が苦手で、暮らすためのいろいろなことがまめにできない私が、本物の田舎暮らしを望んでいるかというとそうでもない気がする。どの程度の緑がほしいのか、自分でもまだ探っている途中だ。今よりは欲しい。

量だけでなく種類もいろいろある。公園や庭園の植栽のような、人の手が大きく加わった緑。手の加え方が変わると家の庭、里山、畑や田んぼ。人の手の加わり方が少なくなると、林、山、川、海。
確かに、息子を連れて散歩するようになってから、近所の家の庭の木とか、ほんの少しの緑にも目が行くようになった。近くにも意外と庭はある。でも、やはりもう少し自然を感じられる緑がほしい。視界が緑だけになることがなくて、建物とかが大きく映り込んでいるのも影響しているかもしれない。

今日どこに散歩に行こう、緑のあるところに行きたいな、と毎日のように思う。でも、断念してばかりだ。
息子にも本当は、緑、自然という刺激を与えたい。商店街やスーパーやショッピングモールの刺激よりも。

どこか引っ越したら緑に囲まれることができるだろうか、と県内の住宅情報を検索してみる。そうしたら不意に隣の駅の名前が出てきて驚いた。口コミ情報には「緑豊かな場所で…」と書いてあった。
その駅には何度も行ったことがあるが、緑豊かという感覚になったことがない。しかし夫にその話をすると「あの辺なら緑あるよね」と言っていた。公園の緑とか、よく整えられた緑なのかもしれない。どのくらいの量や環境を「ある」と言うのかは、その人の感覚によって違うのだ。

緑がほしい。緑のあるところに住みたい。
それは自分の、そして家族のライフスタイル全体に関わる問題だ。私がほしいだけの緑のあるところに住んで、通勤を続けられるのか。通勤可能な場所の緑で足るのか。それとも緑を優先して仕事を変えるのか。ほしい緑って何なのか。もう、ずっと考えている。

朝起きると90度回転しているときがある。
見えるものに次々と手を伸ばす。

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