時間は前に、前にしか進まない。【ひねくれ育児日記】
息子の頭の形がおかしい、と夫が言う。上から見ると、左右で耳の位置が違うというのだ。見てみると確かに、はっきりわかるほどに違う。夫はドーナツ型の枕を使おうと言うが、検索すると3カ月くらいまでしか効果がないとか、窒息のリスクがあるとかいう記述が見つかる。「リスクを負ってまで使いたくない」「じゃあこのままほっとくの」としばらく揉めたが、湿疹の診察で小児科に行くことになり、その機会に聞いてみることになった。
先生は明るく親切だった。確かにちょっと変形している、右を向いて寝ていたみたいですね。でも病的な変形ではない。6カ月までならヘルメット治療もできるが、10カ月になるとあまりやれることがない。あまり寝たままにしないで、起きて遊ぶようにして、あとは髪の毛をたくさん生やすとか。
人生において取り返しのつかないこと、というのが、もうできてしまった。帰り道、息子にごめんね、と話しかけた。
発達において何か問題が起きることはほぼない、と先生。ヘルメット治療も、ほとんど見た目だけの治療だから保険診療外なんです、と。その言葉で、過剰に自分を責めることはせずに済んだ。だけどもしかしたら、イケメンになるはずのところがまあ普通くらいになってしまうかもしれない。原因は私(と夫)が向き癖を修正しなかったことにある。修正が効く時期のうちに気付かなかったことにある。向き癖がこんなに具体的に影響を及ぼすなんて、知らなかった。周りにも気付いてくれる人はいなかった。
これから、取り返しがつかない、戻れないことが増えていくのだろう。正直、怖い。人に会わない弊害でもある。
伝い歩きをするようになった。
パチパチと拍手っぽいことをするようになった。