『ときどき旅に出るカフェ』から学ぶ、物語の魅せ方について
インスタのフォロワーさんの投稿で拝見した本を図書館で借りてきました!
普段はエッセイを読むことが多いんですが、短編小説、とても面白かったです😊
以下、大まかなあらすじです😄
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全10話の短編からなる小説集。
照明器具を販売している氷野照明に勤める独身で一人暮らしのアラフォー、奈良 瑛子と、6年前に半年だけ氷野照明で一緒に働いたことがある、カフェ・ルーズのオーナー、葛井 円。
円が会社を辞めるときに、「将来自分のお店を持ちたい」と言う円に、「お店を持つことなんて、簡単なものではないから、やめておいた方がいいんじゃないの?」と一蹴し、円を悲しませてしまった過去がある瑛子。
休みの日は奮発して買ったお気に入りのソファの上で過ごすことに幸福を感じる瑛子であるが、とある天気の良い土曜日、いつもと違う道を通っていた。
ふと目に止まった一軒のお店に入ったそこで声を掛けられたのは、6年前に半年で氷野照明を辞めた円だった…。
月初の一週間くらい休みで、9日から月末まで営業しているという、不思議なカフェ。
円はその間、旅に出て、買ってきたものや見つけたおいしいものをカフェで提供している…。
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第四話くらいまでは、職場内や身近で起こる小さな出来事がテーマで、割と穏かな展開でしたが、後半の第五話から不穏な空気が流れ出し、後半からラストに掛けての畳み掛けるような物語のストーリー性に驚き&読み進める手が止まらなくなりました!
前半に読んでいた印象から後半への印象がガラリと変わって、
緩急の付け方と物語の持って行き方に、作者さんの技術力の高さを感じました🥺
(偉そうにスミマセン😂)
そして最後に、そうきたかー!という仕掛けまで🥺
前半の穏やかな雰囲気は後半への伏線だったのか…と思う程、一気に引き込まれる円と瑛子を取り巻くストーリーに圧倒され、初めて拝読する作者さんでしたが、他の小説も読んでみたくなりました😄
カフェに出てくる世界の料理やお菓子が美味しそうで、日本にいると日本の常識にとらわれてしまいがちだけど、世界は広いなぁと改めて感じさせてくれる、そんな素敵な物語でした✨
特に、後半の方で円の一言がとても印象でした😌
バクラヴァというトルコなどで食べられているお菓子がビックリするほど甘いくて、
「ビックリしたけど、同時に世界ってすごく広いと思った。
自分が囚われているものなんて、小さなもので、その枠から出てしまえば常識だと言われているものが、常識でもなんでもないってことに気づいた」
この一言がこの本で言いたいことを集約している一言が気がしました。
世界各地のお菓子を通して色んな気付きを与えてくれる、きっかけになる、素敵なカフェ・ルーズみたいなお店があったら、是非行ってみたいなぁと😊
ここまで御覧頂きありがとうございました✨
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