「あ、俺、切り株だった!」
去年9月に初めて行ったよるの森のハイキング。
初めて行った森での気づきが大きすぎて、すっかりハマり、気づけば7回行っていた。
毎回毎回、行くたびに違う側面を見せてくれる森。
前回行った森で目に着いたのは、大きな切り株たち。
その中でも、もみの木の芽が出ている大きな切り株が目に入った。
もみの木の芽だけじゃなく、いろんな植物が生えている切り株。
苔もたくさん生えている。
最初は、小さなかわいいもみの木の芽に目ががいったのだけど、
そのうち、切り株全体を感じ始めた。
この切り株にはいろんな植物が共生していて、
苔が生えて、もみの木も生えていて、虫もいて、
これってもはや、元の切り株の木として分類できるのか?
そんなことをよる森ハイキングの主催者河村さん(マゲさん)に話していたら、
おもしろい話を聞かせてくれた。
「前に、森の掃除をしてたとき、大きな切り株を動かそうとしたんです。結構重かったので、力を入れて動かしたら、なんか感覚的に切り株がはっと目を覚ましたというか、『あ、俺、切り株だった!』って、感じがして」
その話を聞いた瞬間、なんかわかる気がした。
これは木、これは土、これは虫、これは葉っぱ、これは落ち葉。
そんな風に分けてるのは人間だけで、自然は「自然に」共生してるんだなと。
そんなことを感じて数週間が経った頃、
駅からの帰り道、コンクリートから生えている植物を見つけた。
何のことはない、いつもの光景。よく見る光景。
でも、今回は写真を撮りたくなった。
「あぁ、街でも共生は起きているんだな」
そう思ったら、なんだかうれしくなった。
そして、この共生って、人間社会の中でも起きているんだと思う。
あの人は、あの部署、この人は上司、取引先、取締役。
そんな風に分けて考えてしまいがちだけど、
でも、この社会に生きているという意味では、共生しているのだ。
そんな風に思ったら、なんだか分けて考えて、自分の行動を変えることがとても効率が悪い気がしてきた。
だからどうしたらいいか?という答えは、まだ私の中にはない。
答えはないのかもしれない。
まぁいいや、とりあえず、今日はこのコンクリートから出てきた名前もわからない植物の写真を眺めて、ちょっとほっこりした。それだけの話。