「部下のことが分からない」そんな時、経営者にできること
部下が言っていることが分からない
同じミスを繰り返すのはなぜ
なんで自分の意見を言わないんだ
こんな風に思ったことはありませんか?
そんな時は、もどかしい気持ちになったり、イライラして仕事が手につかなくなったりすることもありますよね…。
私も会社員時代、部下に対して、「なんで?」「どうして??」と訳がわからなくなることがよくありました。
だけど気がついたんです。
そもそも私は「ちゃんと彼らのことを理解しようと思っていなかった」ということに。
じゃあ、どうしたら部下のことを理解できるのか...。そこが問題ですよね。
「他人の考えていることなんて分かるはずがない」
そう切り捨てるのは簡単だけれど、部下を束ねてビジョンを実現していきたいと考える経営者はそういう訳にはいきません。
コーチングセッションでのクライアントとのワンシーンをご紹介します。
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「部下のことが分からなくてマネジメントが上手くいかない」とおっしゃっていた社長に、「まずは、ご自身の強みを100個あげてみましょう」と提案しました。
すると次のセッションで、しっかり100個以上の強みをリストアップされていました。
そして社長は、「俺、自己肯定感高いし、ちょっと考えれば出るだろうと思っていたけど無理だった。仕事のこと、プライベートのこと何十年も前から振り返ったり、毎日の仕事でも意識したりしてやっとだった。自分のことだってこんなにちゃんと考えないと分からないのに、社員のことがそんな簡単に分かるわけないよね」
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上記のようなことは、ほとんどの経営者さんに当てはまります。
コーチングセッションで、冒頭のような悩みをご相談いただいた時によく私がお伝えすることがあります。
「社長は部下のことをどれくらい理解できていると思いますか?」
どういうことかと言うと、
部下が言っていることが分からない
同じミスを繰り返すのはなぜ
なんで自分の意見を言わないんだ
これらは、目や耳で確認することができる部下の言葉や態度、行動したことについて、社長が思っていることです。
人の発言や行動というのは、それぞれの思考や感情、価値観によって選択された結果でしかありません。つまり、その思考や感情、価値観を知ることが出来なければ、本当の意味で相手を理解することは出来ないということです。
それを知るために、ワークショップを実施したり、1on1ミーティングでしっかり対話することはとても有効です。
でも、部下へのアプローチを試みる前に、ご自身でできることがあります。
それは、「まず自分自身を知ること」です。
「部下のことが知りたいのになんで?」と思われるかもしれませんが、人は自分を理解している分しか、他人を理解することはできないと言われています。
ご自身のこれまでを振り返ってみてください。日々の感情の動きに意識を向けてみてください。
たとえば、
どんな時にやる気が湧いてくるのか
自分の強みが発揮されているのはどんな時か
どんな状況で不安な気持ちになるのか
イライラした時の自分の態度はどうか
何に対してストレスを感じるのか
そして、
「そんな自分は他人からどう見えているのだろうか」
普段は無意識に働いている感情や価値観に着目し、このような問いを自分に投げかけることで、より自分自身を知ることができます。
自分のことを理解し、周囲への影響力も分かっている人ほど、自信がもてたり、判断力に優れていたり、部下とのコミュニケーションも上手くいったりします。こうしたことが、部下からの信頼を得ることにも繋がることは容易に想像できます。
部下のことを理解しようとすることはとても大切ですし、そう思われる経営者はとても素敵です。ぜひ取り組んでいただきたいのですがその前に、まずは「自己理解を深める」ことをしてみませんか?
【まとめ】
「部下のことが分からない」と思ったら、
1.奥底にある「思考、感情、価値観」がそうさせているのだということを思い出す
2.自分の「思考、感情、価値観」と向き合い、自己理解をすすめる
3.部下とのコミュニケーションに生かしていく
自己理解を深めることは、実は容易にできることではありません。部下とのコミュニケーションを円滑にしていきたいと考える方はぜひ一度ご相談ください。
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