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1月2日に羽田空港で起きた航空機の衝突事故から、
安全の取り組みについて書きたいと思います。
亡くなられた方々には心よりお悔やみ申し上げます。

本当に痛ましい事故で、二度と起こしてはなりませんが、
炎上する航空機から乗員乗客379名全員が脱出できた(命が助かった)という点では、
事故の対応としては成功事例と言える部分は大きいと思います。
あの状況の中で全員が避難できたのは奇跡だと言われていますね。
1秒が命取りの状況の中で、CAの瞬時の適切な判断・誘導、乗客の協力など、
いくつもの幸運が重なり成し遂げられた結果だと思います。
CAの対応については日頃の訓練の成果とも言われていますね。
海外は真っ先にそこに注目し称賛の声が上がりましたが、
国内はポジティブな側面はあまり取り上げず批判の声が溢れているのが、残念な感じがします。

■事故の事後分析の際に必要な二つの視点
もちろん、事故を繰り返さないために事故から学び今後の安全対策に活かすことは重要です。
そのために事故の原因究明をしなければなりません。
そこは厳しい目を持つことは必要だと思います。
けれど、
事故の事後分析の際に明らかにしたいのは「原因」だけではありません。
安全文化の専門家たちは、事故のポジティブな側面を学び取る重要性を強調しています。
「もっと大事故になったかもしれないのにそうならなかったのは何故なのか」という
「ポジティブな要因の特定」「成功した側面の分析」を行うということです。
つまり、良い点を抽出して今後の改善に活かす活動です。
今回については、その場での判断や誘導などのほかに、
日ごろ訓練していたのが良かった(やはり訓練は大切)ということや、
CAのキャリアの年数はわかりませんが一人一人の主体性やプロ意識といったマインドの側面なども、見えてくるかもしれません。
 
このように、事故を繰り返さないためには、ネガティブ側面とポジティブ側面両方から学び、
ネガティブ要素は無くし、ポジティブ要素は増やしていくことが大切です。
これは私たちの日頃のヒヤリハットや事故の振り返りでも同じことが言えます。
ポジティブ要因とは、例えば、
「知識・経験」「体力」「予測」「予感」「注意」「機転」「声掛け」「保護具」「機械設備」「安全教育」などです。ぜひ目を向けてみてください。

※参考:建災防方式「新ヒヤリハット報告」https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/leaflet/files/pamphlet_shin_hiyarihatto_2205.pdf

■みんなで創る安全文化
JALの「高い安全水準をもった企業としての再生に向けた提言書」では
https://www.jal.com/ja/flight/safety/pdf/advisory_001.pdf
「利用客に望むこと」として、「安全の実現には利用者の理解と行動が不可欠である」と述べられています。
また、「メディアに望むこと」として、「安全文化を作るためには広く社会の人に対して事実を正確に伝えるとともに、安全に関する基本的な理解を深める記事を伝えることが必要であろう」と書かれています。
 
これを読んでふと思う…最近の報道は安全文化を創る方向に動いているでしょうか…?
 
何かを批判する声を大きく取り上げ否定的な視線を向けさせるよりも、
飛行機に乗るときはハイヒールは履かないほうが良い(避難時は脱がなければならないし持って行けない)とか、
背もたれが倒れていると後ろの人の避難を遅らせることになってしまうからから元に戻そう(つかえるその1秒が避難を遅らせ命取りになる)とか、
機内安全ビデオを見ておくことはやっぱり大事だよ、など、
飛行機に乗る際の心構えを知らせたり、安全のための望ましい行動を強化するような情報を
伝達することが求められるのではないかと思います。
 
今日は、航空機事故から安全の取り組みついて思っていることを書いてみました。
皆様今日もご安全に。

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