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同人誌「大逆転! アムリッツア星域会戦」
「大逆転!アムリッツア星域会戦」は、1990年代に「ばっどすたっふ」(「らいとすたっふ」のパロディでしょう)と名乗る同人グループによって書かれた同人小説です。この同人誌はちょっと特殊で、新書で印刷製本されています。内容は「銀河英雄伝説」のIFものです。タイトルの「アムリッツア星域会戦」を始め、複数の銀河英雄伝説のIFの歴史を書いたものです。タイトルは当時流行った檜山良昭の第二次大戦の大逆転戦記ものから取ったのでしょうね。
他にも、この頃買った同人誌には秋田書店のサンデーコミックスを真似た装丁のものとか、これ絶対この金額じゃ赤字だろうな装丁したものが結構あります。これらは広く読んでもらうとか個人が記念としてとかが目的だったんでしょう。
具体的な内容ですが、アムリッツアに集結した自由惑星同盟軍が銀河帝国軍を撃破する大逆転もので、そこに至るのにフォーク准将がキャゼルヌ少将の毒舌によって正史よりもかなり早い段階で倒れ退場したり、パエッタ中将が正史よりも早く第1艦隊指揮艦として現役復帰してヤンに恩返しすると張り切っていたり、トリューニヒトが勝ちが見えたと自派閥の軍人を大量に参戦させて、結果、補給が空前の規模となり、護衛に第1第11艦隊が付き、挙げ句、キルヒアイスが同盟の補給艦隊を撃破するのにいきなり攻撃ではなく降伏の機会を与えたばかりに接舷した敵艦隊のランチがゼッフル粒子で自爆してキルヒアイス死亡するという同盟ツキ有りまくりな展開。「キルヒアイスはやってくれたはずだ」「だからそれは無理だと申し上げました」とラインハルトとオーベルシュタインとの間に隙間風吹きまくり。で、積極的に後退戦やった同盟はアムリッツアに集結するもほぼ無傷。そこに至る攻防戦は同盟と帝国を入れ替えたような展開が至るところで起こる。最期は「この人もここまでの人か」と一人艦を降りるオーベルシュタインで終わりという珍作。
他にも「もしもシリーズ」と称した「もしもアンネローゼが皇帝の子供を産んだら」とか「もしもジェシカが生きていたら」とか「もしも救国軍事クーデターが起きなかったら」とか「もしもシャフトがリップシュタット連合に参加してガイエスブルク要塞で帝都オーディーンに攻めてきたら」とか「もしもアスターテ会戦でムーアがラップの進言を聞いていたら」「もしもキュンメル男爵の暗殺計画が成功していたら」「もしもヤン提督暗殺が失敗していたら」とか色々なIFが提示されるシリーズとかの新書もこのグループは出しています。
特に、アンネローゼが子供を産む話は色んな人が色んなIFを提示していて男女でも違うし妊娠発覚時期でも違います。フリードリヒ四世の跡を継ぐのか間にエルウィン・ヨーゼフ二世を挟むのかも違います。産まれるのが女児だったので難を逃れ、エルウィン・ヨーゼフ二世の後に即位し女帝となる話とかラインハルトが後世の歴史家から「ルドルフの娘婿ノイエシュタウフェン公の再来」と呼ばれ、アンネローゼの産んだ女帝が「ゴールデンバウム王朝の中興の祖」とされゴールデンバウム朝はさらに500年続き、千年王朝と呼ばれるようになるとか、キルヒアイスに絶対の忠誠を誓われた幼女帝の話とか、色々くるものがあるIFでした。
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