「賢い」人間になる思考方法:「物事を表面的にしかとらえられない凡人」から脱却し「地頭の良い人」になるためには?大学入学共通テストの平均点を足掛かりとして考察する。【大学生・就活生・新入社員である君へ】
本記事を執筆時点では「令和7年度大学入学共通テスト(本試験)平均点」は中間集計までしか発表されていないのだが、思うことがあったため、一筆したためてみようかと思う。
以下は現時点で公表されている平均点となるが、数学を例に挙げてみよう。
旧課程の旧数学ⅠAと旧数学ⅡBは浪人生のみ受験可能で、新課程の現役生は受験できない科目である。
数学ⅠA 114,122人 56.66点
旧数学ⅠA 16,438人 60.52点
数学ⅡBC 105,789人 56.69点
旧数学ⅡB 14,706 60.87点
さて、このデータを見た諸君はどう感じただろうか。
「はえ~、旧課程の数学はどちらも平均点が高いから新課程の問題よりも簡単だったんだなあ、浪人生はラッキーだったなあ」と感じた人は完全に凡人である。
上っ面の数字だけ見て薄っぺらい感想を持つのでは、いつまで経っても成長できない。ここで大切なのは、「旧課程の科目の方が平均点が高いのはなぜなのだろうか?問題が簡単だったのだろうか?別の要因もあるのではないか?」と考えることである。
解説をしていこう。前述の通り、旧課程の科目を受験できるのは浪人生のみである。浪人生は「大学進学のために1年間余計に受験勉強に励んできた者たち」である。1年分多く勉強してきた、というアドバンテージがあるのだ。さらに言えば、受験科目に「情報」が増えることを承知して浪人しているため、例年よりも意識が高い(≒難関大志望者が多い)という要素も含まれている。現役生の中にいる、「大学にはいかないが高校の卒業試験代わりに記念受験している層」などはほぼ混じっていないのである。ということは現役生よりも圧倒的に下位層が少なく、上位層が多いので平均点が高く出るのは必然である。
ここでもうひとつ重要なのは、「現役生よりも圧倒的に下位層が少なく、上位層が多いので平均点が高く出るのは必然」と読んで「確かにな」と納得してはいけないということだ。「少し考えればわかりそうなものなのに、自分で考えて答えを出せなかった」と悔しがる人は「賢い側」の人間になれるだろう。
さらに煽るようなことを言うが、「俺は共通テストを受けるわけでもないし教育業界に携わっているわけでもないからどうでもいい」と思った人も凡人である。それは思考停止だ。人間である意味がない。
特別な事情のある場合は別として、人は誰しも社会に出て自分の食い扶持を稼がなければならない。誰とも会話せず金を稼いで生きていける人間などほぼいない。人と関わる上で、会話というコミュニケーションは必須だ。話をしていて役に立たない・面白くない人間とは会話をしたくないのは人の常だ。そして凡人とする会話は面白くないし、地頭の良い人とする会話は興味深く新しい知見が得られるものだ。
読者諸君がもし若ければ、社会に出た時には先輩や上司など、自分よりも人生経験を豊富に持つ人々に出会うだろう。また逆に、社会に出てある程度経験を積んでいれば、新卒や中途採用の新人に出会い、部下を持つこともあるだろう。様々な人間に出会うわけだ。その中で、敬意を払う・払われるに値する人間、そして社会で、組織内で生き残っていける人間はどんな人間なのだろうか?
それはやはり地頭の良い人であろう。仕事ができる人間は基本的に地頭が良い。効率的に情報を伝達し、効率的に行動する。地頭が良くない人間は大したことのない作業にいつまでも従事しているし、発言内容もまとまっていない。部下と会話をしている最中に「何言いたいのか全然わからん。やっぱこいつ頭悪いな」などと思われたら上司として一巻の終わりである。こういった判断は積もり積もって最終的に下されるので、その後挽回することは不可能に近い。普段から意味のある会話をすることが重要であり、そのために地頭を良くしたい。
有り体に言えば、「社会の中で他人にバカだと思われたくない」と思っている人は、その方法の一つを話すので、ぜひ最後まで読んでいってほしい。君がもし学生であれば、今後50年以上の人生においてずっと活用していける考え方でもあるし、社会人であっても、自分が身につけているべき思考方法・部下に求める思考方法として役立てることができるだろう。
さて、本題である、上記の問いー地頭を良くするためにはどうすべきかーに対する答えのひとつは、
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