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インタフェースデザインの心理学 第2版 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針を読んだ感想

今回読んだ本「インタフェースデザインの心理学 第2版 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針 / Susan Weinschenk (著), 武舎 広幸 (翻訳), 武舎 るみ (翻訳), 阿部 和也 (翻訳)


どんな本?

「ユーザーの負荷が少なく使いやすいサービスを良いサービスと呼ぶ。」
そのユーザーが"負荷と感じるもの"とは何か?
人が視覚から『何を捉え、どう考え、行動するか』を紐解いて心理学に基づいたアプローチを学べる本でした。デザインをテーマに脳の働きや人間の心理について書かれています。
その中から、特に印象に残った事柄をピックアップしたいと思います。

この本で学べること

・人はどう見るのか
・人はどう読むのか
・人はどう記憶するのか
・人はどう考えるのか
・人はどう注目するのか
・人はどうすればヤル気になるのか
・人は社会的な動物である
・人はどう感じるのか
・間違えない人はいない
・人はどう決断するのか

見え方をうまく使った設計にするには?


【視野で見える範囲は中心視野と周辺視野2つある】
中心視野…直視視して詳細を見る領域
周辺視野…視野のそれ以外、見えてるけど直視してない範囲
PCを見るときは周辺視野を使い概要を掴むので、制作する際には下記のことを注意してやるといい。

具体的なtips
①人は端の情報を見ない
→特定の部分を見て欲しいときは周辺視野に気の散るものは置かない

②人はパターン認識でものを識別する
→本能的にパターンを探すのでグループや余白の作り方が大事

③人は人の視線を追う
→親近感や共感を引き出したいのか商品に注目して欲しいのか判断が必要

④人は画面の中程を見る傾向がある
→重要な情報は画面上から1/3までの場所か中央に置く

⑤人はジオンの認識ができやすいほど認識が早い
→アイコンなどはシンプルに作る

気をつけるべきこと
見やすく、見つけやすいものであるように明確なアフォーダンスを発する
情報をこちらの思う通りに受け取ってもらえるかわからないことを念頭に置く
アイコンなどは記憶されやすいように標準的な視点で書く
できる操作の手がかりを示しておくことでユーザーがそれの行動を取る確率が上がる

記憶や考え方をうまく使って設計にするには?

【サービスを使ってもらうには】
ユーザーにサービスを学習し記憶してもらう必要がある
そのためには記憶への負担を減らすデザインを心がけるといい

具体的なtips
①想起させるより認識させる方が簡単
→何か想起しないといけないインターフェースは避ける

②文化によって色の意味が変わることがある
→誰でも区別できる色、疲れにくい色を選ぶ

③大きさや書体でも理解度が変わる
→コンピューターの画面上の文字は大きく、目の負担を減らす

④人は忘れていく
→重要な情報をユーザーの記憶頼りにしない

⑤情報は少ないほど処理される
→一度に大量の情報を与えすぎない

気をつけるべきこと
・重要な情報はすぐ見つけられるようにするかデザインに含める形で提供する
・その時点で必要とされてるものだけを提示する
・クリックを増やすか思考させるかで迷ったらクリックを増やす(心的資源の消費を増やさないため)
・捜査対象が大きく、そこに簡単に辿り着けるようにする

人の感じ方に沿った設計にするには?


そもそも使いやすいサービスとは】
メンタルモデル…ものを使う前に自分の心にモデルを作り出す
概念モデル…実際使ってる時に別のモデルとして脳内に構築される
この2つが近ければ近いほど使いやすいサービスと認識される

具体的なtips】
①注目して欲しい情報はとにかく目立たせる
→ただ載せただけでは見てもらえるとは限らない

②注意力の持続は7~10分
→視聴映像やチュートリアルはそこも配慮する

③モチベーションをコントロールする
→継続的に目標を持ってもらう仕組みに

④サービスの前後にも意識を向ける
→メインコンテンツに触れている時間以外も意識

⑤表情を負の方向に向けるデザインは控える
→眉をひそめてしまうような見にくいサイズ感や色など

気をつけるべきこと
・ユーザー調査でメンタルモデルの調査を行う
・取捨選択で捨てられないように重要な情報はわかりやすく
・注意力散漫になっても元の場所に戻りやすい設計にする
・目標達成後に離脱率が上がるので達成後のユーザーフォローも大事

全体を通しての感想

自分が無意識に選んでいたものが、人間の心理や行動に基づいて選んでいたということに気づきとても面白かった。
選択肢が多いと思考が麻痺し選べなくなることや、情報量が多いと処理できないなど、それはどうしてなのか説明されていてプレゼンや資料の裏付けにもなるので実用書としてもかなり使えると思った。
視覚的なアフォーダンスキューが大切なことだと書かれていて、物体にどうやって影ができるかなど、細かなところまで学び活かせるようになる必要があるなと感じた。

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