【読書感想文】池上彰教授東工大講義
この本を手に取ったきっかけ
今の日本が衰退するきっかけはなんだったんだろう…と、ふと思った。その時、私は現代史(戦後〜現在)までの歴史をよく理解していないことに気付いた。戦後が勉強できるような本を探していた。
テレビなどで、池上彰さんがわかりやすく解説していたので、この本ならわかりやすく理解できるかもしれないと思い手に取った。
内容
感想
今の日本の社会問題のきっかけがいくつか理解できた気がする。
まず、なぜ今の政治がうまく機能していないのか。55年問題という、当時第一政党だった社会党が短命で終わってしまったことがきっかけで、政党ごとの違いが薄れ、現在のような「どの政党でも大して変わらない」という政治不信と政治離れを起こしたと理解した。
アメリカは、大きな政府VS小さな政府と2極になっているからこそ、自分の一票が将来の自分たちの生活に直結すると実感するため、選挙に積極的になるのだろうと思った。
また、私が小学生〜中学生の時にニュースでよく取り上げられていた「米軍の辺野古移設」についても、今になってやっと理解することができた。
あの時にニュースになっていた理由は、当時の鳩山首相が思いつき(?)で「最低でも基地を県外に」と発言してしまったことで、様々な関係者が噛みつき落とし所がないまま時が過ぎている現状らしい。
そして、10年前に出版されたのにこの本の中で取り上げられている課題が未だに議論されていることに衝撃を受けた。確かに政治的問題は解決するのに時間がかかるが、10年も進展がないからこそ衰退してしまったのではないか。
最後にあとがきで池上さんが、現代史はその時に経験した人が現在でも生きているため、その当事者からすると「歴史」ではなく「経験」である。だから語りつぐこともなく、過ぎ去ってしまっている。文書にまとめられていないことが多いからこそ、歴史を勉強するために、経験した人から聞くというのも一つの手段だと思った。