10年前から武器が変わらない、本質的な内容
フリーランスとなり、日々自分のスキルや将来に対して漠然と不安な毎日。少しでも本質的な社会の理解がしたいと思い、この本を読んだ。
控えめに言って良書。一生雇われの身でいたくない人・自分の力で生きていきたい人は、一回は読むべき。
資本主義社会で勝者になるために
勝者になるためには、大衆よりも深く考えるだけ。日経新聞を鵜呑みにするのではなくその背景を考えることや、人に響くストーリーを考えるなど。
資本主義社会での勝者と敗者とは
社会人としてのスキルアップでよく言われるのは、TOEICや英語力・簿記・ITパスポートなどだ。よくCMでも見るだろう。
しかし、TOEICや簿記など有名な資格を持ち就活・転職をする場合、市場価値は資格で図られてしまう。選ぶ側(会社・経営者)は、求職者の中から資格や点数など定量的な評価ができるようになるため簡単に選ぶことができる。
つまり、資格を武器に社会で戦うと自分をコモディティ化させているため、一生馬車馬のように働かないといけなくなってしまう。
例えるなら、牛丼チェーンの値下げ戦争のような状態。そのスペックを持っている人なら誰でもいいと思っている会社から、良いように使われるために採用された状態。(牛丼が食べたいから、1番安いお店でいいと思う状態と同じ)
これを脱却するためには、スペシャリティな人材にならないといけない。
スペシャリティな人材になるためには、枠組みの中で努力するのではなく、どんな要素がコモディティとスペシャリティで分かれるのかを理解するところから始まる。
スペシャリティな人材でも、いつの間にかコモディティ化してしまうため資本主義の原則に沿って動いていく必要がある。
資本主義の構造を言語化する
資本主義とは、売る側が自分の商品と値段を買う側に判断を委ね、妥当と買う側が判断したら商売成立するというシンプルなもの。そこで交換するものとしてお金が使われている。お金は原則価値が下がらないものとされているので、お金を多く持っている人ほど多くのものが手に入る。(当たり前だが)
だからこそ資本主義の世界では「お金(富)」を多く持つことが必要とされている。
つまりお金を増やすためには「少ないコストで、みんなが欲しがる物を作る」が一番の戦略である。
コストと商品が見合わない場合は、淘汰されていく。そしてある人がより安いお金で、アップデートされた商品を作れれば、既存の商品は廃れていくため世の中が進化していくという仕組み。
資本主義の中に生きているからこそ、文章を読むと当たり前じゃんと感じると思う。だが実際に行動に移すと難しい部分が多くあると思う。
近年の資本主義の進化
派遣が増えたのは資本主義のせいではなく、技術革新のため。
リーマンショック以降法律が変わり、派遣の割合が増えた。今までは、ノウハウを持った人が担当する仕事が多かったため囲い込みが必要だった。しかし、技術が進み誰でも同じようなアウトプットが可能になったからこそ、会社側は安く働いてくれる人材め十分となった。それが派遣社員が増えた理由だ。
資本主義社会で勝者になるための6つのタイプ
コモディティにならずに稼ぐことができるタイプは以下の6つだ。しかし、近年は1、2のスキルはコモディティ化してきている。
商品を遠くに運んで売ることができる人(トレーダー)
自分の専門性を高めて、高いスキルによって仕事をする人(エキスパート)
商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができる人 (マーケター)
全く新しい仕組みをイノベーションできる人 (イノベーター)
自分が起業家となり、みんなを管理してリーダーとして行動する人(リーダー)
投資家として市場に参加している人(インベスター)
トレーダーについては、インターネットですぐに検索ができるようになったことが要因である。大航海時代のスパイスや砂糖のように、場所を変えることで価格が大きく変化し稼ぐことができていた。
しかし、価格.comやAmazonなどで値段がすぐに比べることができるようになったため、場所での差分を活用することが難しくなっている。
エキスパートも、インターネットですぐに検索することができるようになったため価値が下がっている。専門性を活かして高い価値を生み出すことができているのは一握りである。
また、今年に入ってAIの進化が目覚ましいことを考えるとより一部を除いてコモディティ化していくと予想する。
まとめ
尽きるところ、自分の頭で考えてリスクを取って行動した人が、価値を生み出しお金を稼ぐことができる。
つまり、お金持ちになるには自分で考えるしか方法がない。どんな啓蒙書やノウハウ本も役に立たないということだ。常識を疑い、裏を読み、行動する。実は原則はシンプルだ。