晴れの日も、雨の日も
静岡県、藤枝市( ふじえだし )の、久遠の松( くおんのまつ )です。
大慶寺( だいけいじ )というお寺の境内に生えていて、
びっくりするほど大きくて、勇壮な姿をしています。
木の根本の左側に、人がいるのが分かりますか?
赤丸で囲ったところに人がいます。
人と比べると、木の大きさがよく分かりますね。
松の樹齢は700才と云われています。
根本の石囲いと紐の柵を越えて、力強い根っこを伸ばしていました。
ふと、松から離れた所を見ると、
ちょこんと、小さな小さな松が生えているのを見つけました。
( 上の写真の真ん中あたりです )
久遠の松の、枝についた松ぼっくりの隙間に入っている小さな種が、風にのって飛んで、まるで門松のような姿で芽生えていました。
この小さな松が700年間も生きて、
こんなに大きくなることを想像すると、月日の長さに気が遠くなりました。
圧倒的だった久遠の松から、車で20分くらい走った所にもう1本、すばらしい巨木が生えていると聞いたので、日をあらためて行ってみました。
次の日は、大雨が降っていましたが、
その松も、近づくと、テンションが高くなる大きさをしていました。
旭傳寺という、焼津市( やいづし )にある寺院の本堂前に、
さきほど見えた、巨大な松が生えていました。
そして、その大きな松は、墓地の只中に生えていました。
まっすぐ伸びた姿をしていると思いましたが、
角度を変えて眺めると、
大きな枝が、
墓跡すれすれまで、横へ伸びていました。
枝に近づいてみると、
枝先に、いくつもの松ぼっくりが付いているのがよく分かりました。
その姿に、思わず目を見張りました。
黄色の丸で囲んでいるのは、去年に熟した松ぼっくりで、
青色の丸で囲んでいるのは、今年に熟す予定の松ぼっくりで、
小さな赤色の丸で囲んでいるのは、今年に実りはじめたばかりの松ぼっくりでした。
松ぼっくりは、
1年目に、雌しべが受粉して実りはじめ、
次の年には、このように、硬いまま大きくなります。
そして、その年の秋に、
茶色くなって、隙間にある種が、風で飛んでいきます。
そんな、1年半かけて熟す松ぼっくりたちが、1つの枝先に集まっている光景は、そういえば今までちゃんと見たことがない、尊い松の世代交代の営みでした。
風に乗って飛んでいく、小さな種は、
数百年をかけて、
こんなに大きく育ちました。
雨の日も、晴れの日も、変わらない姿で生きつづけている。
ほんとうに、すごいです。
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