見出し画像

【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋#6

とうとう、
ラストクリスマスとなりました~♪

うりもさんの名物企画
「すっぱいチェリーたち🍒」の最終日です!


「すっぱければすっぱいほど輝く」をテーマに
幾千もの甘酸っぱい物語が紡がれていく当企画。

たくさんの方が甘酸っぱいゴールされていますよ🤣


収録マガジンはコチラ☟

本作品のプロローグはコチラ☟


小郷オーエンの恋物語も
本日がラスト!?です。

どうか最後まで
お付き合いいただければ幸いです。

前回の続き☟

・エピソード1
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋

・エピソード2
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋#2

・エピソード3
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋#3

・エピソード4
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋#4

・エピソード5
【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋#5

ではでは、
いってみましょう(^^♪





今日は、田梨木高校のクリリスマ会の日。
運命の12月25日である。

校長先生の粋な計らいなのか、
一日中、学校が解放されている。

地域住民はもちろんのこと
保護者や小学校の生徒、保育園の園児たちが招待されて
学校中が大多数の人で埋め尽くされている。

また、クリリスマ会を盛り上げようと
さまざまなイベントがもよおされる。


・カレー専門店
・スナック油木ママ
・保健室おちゃぼ
・モノマネ大会
・こんばんみ~カフェ
・笑っていい解(ラジオ)
・バンド

そして、
フィーリングカップルである。


小郷にとって、待ちに待ち望んだ日。

ひょんなことから
吉田の一声で参加が決まり、
彩子の声で相手は
千世子さんに来てもらうことが決まる。

あまりの急展開に、
小郷の心臓は当日まで持つのだろうかと
自分で自分を心配していた。


フィーリングカップルが始まる時間帯は、
お昼過ぎの1時から。

それまでは学校中を歩きながら、
クリリスマ会を楽しもうと考えた。

あえて、気を紛らわしたいのだ。


2年の廊下を歩いていると、奥から
スパイスの効いた”いいニオイ”がする。

吉田の「カレー専門店」だった。


さっそく保志田と一緒に
吉田のカレーをいただくことにした。

保志田
「おつかれ~、
 むっちゃ、うまそうじゃん!
 ひとつ、もらっていい??」

小郷
「あっ!おれもほしい!!」

吉田
「おうっ!いいぞ、じゃぁ二人分な♪」

吉田は特大の鍋からお玉で
香ばしいカレーを白いご飯へかける。

ほのかに白い煙と一緒に
具材の甘さとルーの甘さがマッチした
よだれの止まらない匂いが立ち込める。

保志田
「ほぉーーーっ!うまそう~!
 いただきまーーす!」

小郷
「おれも、いただきまーーす!」

吉田
「あついから気をつけろよ!
 それとおかわり自由だから。
 また食べたくなったら教えろよ!」

保志田
「おうっ!サンキュー!」

小郷
「すごくおいしいよ♪サイコーッ!」

吉田
「そりゃ、良かった!
 小郷は、午後のイベントで張り切らんとな!
 ここでたっぷり栄養をつけとけよ」

小郷
「余計なお世話だよ!
 自分なりにがんばるよ!」

吉田
「おう!そのいきや!」


小郷は保志田と一緒のタイミングで
ぺろりと吉田のカレーをたいらげた。

満腹中枢も満たされたことだし、
これでフィーリングカップルに向けて準備万端だと
意気込んでいたところ、校内放送が聞こえてくる。


彩子
「は~い、みなさ~ん!
 楽しんでますか~♪
 それでは、お待ちかね!
 午後の一大イベント
 ”フィーリングカップル”を開催しま~す!
 
 エントリーされてる方は、
 体育館へ集まってくださ~い♬」


いよいよ始まるフィーリングカップル。

彩子の校内放送によって、
見事に小郷のドキドキが止まらない。

小郷
「やばい、緊張してきた…」

保志田
「大丈夫や、おれも出るし
 いつもの自分で無問題や」

そう、保志田に励まされて
すぐさま体育館へ駆け出す二人だった。





✔5対5の
 フィーリングカップル

すでに体育館には
フィーリングカップルを実施するための机とイスが
左右対称に並べられている。

別の席で司会をする茶保先生がマイクを握る。

アシスタント役には、
阿久と千代子がスタンバイ済み。
BGM担当に風歌も準備OKである。

企画内容は、男女5人で
女性陣にたいして質問をする。

そして、お互いの中が親密になった時点で
気に入った相手を決めて告白する。

無事、カップルが成立すれば
おめでとうといった趣旨である。


茶保先生
「よっしゃーー、
 それじゃ、エントリーした男子。女子!
 壇上にカモンッ!席に座り!!」

エントリーした男子、女子は以下のとおり。


【男子5人組】
・小郷オーエン
・吉田吉夫
・保志田
・千葉ヨメン
・宇利盛男

【女子5人組】
・多さわこ
・圭子
・大門寺ナナコ
・貝差彩子
・橋田 壽賀美

フィーリングカップルのメンバー


それぞれの男女が席に座ると同時に
茶保先生が「音楽キュー!」と合図を送る。

風歌は、口でBGMを奏でる。

茶保先生
「はいっ!ということで、いよいよ
 フィーリングカップル5対5が始まるよ~♬
 みなさん、おまたせ~」

阿久
「ドンドンパフパフ~♬」

千代子
「ヒューヒューだよ!」


それぞれが
フィーリングカップルを大いに盛り上げる♪

同時に
会場のボルテージも一気に上がる。

「男ども、がんばれよ~!!」

会場に集まった男子生徒の野太い声援は、
席についた5人の心をピリッとさせる。

阿久
「じゃ、まずは…オーエンから!」

さっそく、阿久から小郷へマイクが渡される。

小郷
「は・は・はじめまして、
 小郷オーエンと・と・どんだけ〜!

茶保
「あんた緊張しすぎてIKKOみたいになってるやん。
 しかも、はじめましてって…みんな知ってるやろ!
 2年A組のクラスメートやんか。
 まぁええわ。次!」

小郷の出番は、見事に紹介のみで終わった。

次々と男子生徒からマイクが手渡されて
それぞれにパフォーマンスが始まる。

ド緊張でなかなか紹介できない人から、
昭和モノマネをぶち込む人。
あげくの果てに松田聖子の”青い珊瑚礁”を歌い出す始末。

茶保先生のマイクの声にも熱が入る。

止まらない、参加者を差し置いて
茶保先生の漫談が止まらない(笑)


小郷は、この場の雰囲気を
楽しむことが先決だと腹をくくる。

何より、そうすることで心が癒されるのだと
自分の高ぶった心の行き場を探していたのだ。

なぜなら、フィーリングカップルには
「千世子さんはエントリーされていなかった」から。


おそらく、
なにかしらの行き違いがあったのだろう…

吉田も忙しかったのだから、
伝えそびれたかもしれないし。

だれも責められない。

ただただ、小郷にとっての絶好のタイミングが
フィーリングカップルじゃなかっただけ。

そうした意味でも
なぜか安心している小郷オーエンだった。








小郷にとって、
フィーリングカップルは
無情にもすぐに終わってほしいイベントと化した。

もちろん、ほか参加者の邪魔をしては悪いと
その場を盛り上げることに貢献した。

まぁ、それ以上に阿久と宇利がいるから
外れることはなかったのだが…

無事、盛況に終わったフィーリングカップル。

その場を体育館の出口へトボトボと去る小郷。

すると、出口のそばで
見たことある影が見える。


千世子さんだ。



愛しの千世子さん


小郷の視界は一気に広がる。

それまで、フィーリングカップル終わりで
意気消沈していた視界がパッと明るくなった。

同時に、
これまでの経緯を見られていたのではと
恥ずかしさもこみあげてきた。


このまま醜態をさらすのであれば、
無言で千世子さんの隣を通り抜けようと考えた。

出口に向かう流れで、何事もなかったように…

小郷が千世子さんの隣を顔を見ずに
スッと通り抜けようとしたとき。


「やるじゃん」


千世子さんから、
あきらかに小郷に語りかけるように
言葉が発せられた。


小郷
「えっ!」

小郷は立ち止まり、ゆっくりと千世子さんのほうを向く。


千世子
「オーエンって、やさしいんだね。
 周りを立てるのがうまいっていうか。
 見直したよ」


小郷
「えっ…ほんとですか」

千世子
「あぁ、ほんとだよ、女に二言はないよ。
 あんた、かっこいいよ」


小郷
「・・・・・・
 うれしい…うれしいです。
 そんなふうに褒められたの初めてです」

千世子
「そうなの?
 良かった、こっちも喜んでくれて
 とっても嬉しいよ」

ほんのり二人の空間が明るくなった。


笑顔で終始見つめ合うふたり。

小郷は言う。

小郷
「千世子さん」

千世子
「??なに??
 いきなり、千世子って呼ばないでよ。
 なんか恥ずかしい…」

小郷
「良かったら、このあと時間って空いてますか?」

千世子
「・・・それって、どういう意味?」

小郷
「いや、無意識に思ったことを言っただけで…」

千世子
「ふ~ん」

たかだか1分にも満たない時間だったが
小郷にとっては、とてつもなく長い時間を感じた瞬間だった。




千世子
「いいよ、わたしで良かったら
 一緒に校内を歩いてまわりましょ」

小郷
「えっ!いいんですか!」

千世子
「何度も言わせないでよ、恥ずかしいから!」

小郷
「やった、嬉しい!!」

小郷は両手で握り拳を作り、
千世子の目の前でガッツボーズを見せた。

千世子
「ほんと、人の目を気にせず、嬉しそうな姿を見せるよね。
 あのときもそうだし…」

千世子は、小郷がスポーツテストの50m走で
好結果を残したときに跳ねて
喜んでいる姿を目撃していたのだ。

千世子の発言をよそに小郷はずっと嬉しそうにしている。

小郷
「千世子さん、さっき、なにか言ってませんでしたか?」

千世子
「いや、なにも。それより、どこに連れてってくれるの?」

小郷
「それは…、吉田のカレー屋ですよ」

千世子
「え~、なにそれ!?」







小郷がZOKKONラブな千世子さんは
コチラの方でした。


千世さん、
長々と最後までお付き合いいただき
ありがとうございました!



今回、はじめて恋愛小説風かつ
学園ものというジャンルで書くことができて
大変、貴重な体験ができました。

うりもさん!

ステキな企画を立案いただき
本当にありがとうございました✨

また、こういった機会がありましたら
引き続きよろしくお願いします。

では、また。
失礼します♬

いいなと思ったら応援しよう!

習慣応援家 shogo
サポートしていただければ、あなたの習慣活動を全力で応援します!!