見出し画像

【すっぱいチェリーたち🍒】スピンオフ小郷オーエンの恋#2

絶賛、note界を盛り上げている
スタエフキングこと「うりも」さんの創作企画!

「すっぱいチェリーたち🍒」


キーワードは、
「すっぱければすっぱいほど輝く」ですよ♬

学校を舞台にラブコメディに染めに染めた
すっぱい青春時代を綴る企画。

ほかnoterさんと一緒に活動しながら
物語を作る醍醐味は、ここでしか得られない!!


すでに専用のマガジンでは
記事数「100」を超えとります🤣




わたしも参加せねば(|||ノ`□´)ノオオオォォォー!!

前回の記事は…



あっ!!

3週間も経ってる…(ごめん)


というわけで
続きを書いていくよ~♬


すっぱくいくんで夜露死苦よろしく!!

🍒🍒#レッツチェリー 🍒🍒




✔千世子さんに
 想いを馳せて

とっても大事にしていたキンケシ(ウォーズマン)を
学校で落としたとき。

拾ってくれた”あの子”が忘れられない。

わざわざ、教室まで落とし物を届けてくれた
透き通るような声と印象的なメガネ女子の”あの子”。

小郷オーエンは、
「千世子」さんに夢中だったのだ。


「千世子」さんは、
小郷オーエンよりひとつ上の学年。

ただ当時、学生の頃のひとつ上ともなると
ずいぶんと大人びた印象を持つので
千世子さんも例外ではない。

知的かつ落ち着いた佇まい。

メガネの似合う女性は、男子学生からみても
THE大人の魅力にあふれている。

彼女の周囲をまとうジャスミンの香りが
より一層、世の男を虜にする。

”高嶺の花”という言葉が
ピッタリの女性こそ「千世子」さんなのだ。


そんな…
素晴らしい女性から
「はい、あなたの落とし物でしょ」と
手渡しされた日には、夢中になるし…

去り際に「バイバイ」と手をふられたからには
目がハートになるのに時間は必要なかった。


それからというもの
小郷オーエンは、千世子さんの姿を追うのに必死だ。

というのも、眼前に千世子さんを見たのは
落とし物を渡したときだけ。

それ以外では、
半径100mにも近寄ることができない。


いや!

キッカケがないのだ。


唯一といえば、文化祭の準備中のため
3年の教室があるフロアの図書館へ本を借りるとき。

友達と楽しく話している千世子さんを
横目に見たときだけ。

「何を話してるんだろう…」と思いながら
宇利と一緒に文化祭で出す
演劇の参考のための本を借りに行った。


小郷オーエンにとって
千世子さんとは雲の上の存在。

千世子さんの笑顔だけが脳裏に残っていた。




✔出会いは
 突然に

6時限目も終わり、すっかり日は傾き始める時間。

宇利と阿久、保志田、吉田と小郷。

5人で登下校の途中で近況を語り合う。

「文化祭、プレッシャーで何もできんかったわー」
と宇利は言う。

「俺らの青春、バンドで決まりやな」と
阿久は語りかける。

「やなっ!また、ベースでみんなを支えたいわ」と
吉田は言葉を張る。

「そりゃ、おれもドラムでみんなを支えとったわ」と
あいだに入るように喋り出す保志田。

「また、ミスッタチェリヤネン!見たいな~」と
4人を前に小郷オーエンは言う。


それぞれが4人とも楽しそうに喋っているとき。


小郷オーエンは、突如、立ち止まる。


なぜなら、向かい側から読書しながら歩いてくる
「千世子」さんの姿があったからだ。



偶然にも木漏れ日の情景と共に
キラキラ光るような風貌を感じさせる「千世子」さん。

そう、小郷オーエンには見えていた。



小郷オーエン以外の4人は、
小郷が立ち止まることに違和感を覚えた。

「ふむふむ…」と宇利は、
目の前から歩いてくる女性を見て瞬時に察した。

小郷以外の男どもに、すぐに目配せをして
「おれらだけ、さきに行くぞ」と合図を送る。

さすが、傾聴のプロ。

日頃から、人を観察している男は憎めない。


「オーエン!またな」

「明日、学校でな」

「じゃ、先行くから!」

「じゃあな~♬」

それぞれが小郷に声をかけて、
足早と千世子さんの隣を通り過ぎていく。


「えっ…あっ!!」

たじろむ小郷。


千世子さんも
男どもの別れの挨拶に気づき
会釈を返して、すぐに読書に集中する。



2~3m感覚に生える木々の隙間から
千世子さんの髪をサラッとなびかせるように
少々の風が吹く。

読書の邪魔になったのだろう。

すぐさま千世子さんは、
左手で髪を耳の裏へかきあげる。

その仕草を見届けたかのタイミングで、
千世子さんが気づくか気づかないか程度の距離から
小郷は声をかけようとした。

でも、言葉が出なかった。


そうこうしているうちに
千世子さんは小郷の存在に気づく。


千世子さん
「あら、あなたは…」

小郷
「…あ…、あの…」

千世子さん
「お久しぶりだね。
 たしか、落とし物を渡したときの…」

小郷
「そ…そうですっ!」

あきらかに挙動不審な小郷。

心の中では”堂々とした雰囲気”を出したいものの
千世子さんを目の前にすると、すべてが吹き飛ぶ。

余裕がない。


小郷
「あの…あのときはありがとうございました!」

千世子さん
「いえいえ、とっても綺麗にされてる筆箱だったから。
 これは落とし主に渡さないと心配するだろうと思って」

小郷
「ホント、助かりました」

千世子さん
「落とし物を届けただけだから。
 あまり気にしないでいいよ」

小郷は、千世子さんと
2回ほどのラリーをはさんだおかげで
落ち着きを取り戻したかに見えた。

千世子さん
「じゃ、気をつけて帰ってね」

一言、二言で十分と考えたのか
別れの挨拶を言う千世子さん。

その
あまりに自然な会話の流れに逆らえるはずもなく
小郷は返し言葉に定型文を返す余裕しか残っていなかった。

小郷
「千世子さんも気をつけて…」




小郷と千世子さんの距離は
どんどんと離れていく。

後ろ姿を目で追うまいと
小郷は必死に振り返らない。

そして、ほどほどお互いに
見えない距離になっただろうと予測して
千世子さんのほうを見返す小郷。



木々に隠れて
千世子さんの姿は半分ほどしか見えなかった。

でも、彼女も同様に
こちらを振り返っているように見えたのだった。








すっぱいかな~


「すっぱい!」と思っていただけた
作者冥利につきます。


小郷の初恋の相手「千世子」さんは
コチラのお方です。


「千世」さん。

またも勝手ながら
創作記事へ出演していただきました。

小郷オーエンの淡い恋模様に
あと少しほどお付き合いいただければ幸いです。

では、また。
失礼します。



いいなと思ったら応援しよう!

習慣応援家 shogo
サポートしていただければ、あなたの習慣活動を全力で応援します!!