記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

また花が咲くその時まで『ミュージカル ヘタリア~in the new world~』~感想日記~

『ミュージカル ヘタリア~in the new world~』


あらすじ(ネタバレ)

時はWWⅡ後。世界会議の決定に従い、”枢軸国”の日本、ドイツはそれぞれ別の道を歩み始めたところであった。しかし、イタリアはまた3国で一緒にいようとする。「ばらばらでも上手くやっていた」と思い返すのは、神聖ローマがいた時代。イタリアはオーストリアの召使として、音楽など芸術に触れながらも好きな料理を食べられず泣いていることが多かった。そんな時に、イタリアにパンをくれたり抜け道を教えてくれたりしたのが神聖ローマだった。神聖ローマはローマ帝国に憧れており、再び強くて大きな国家を目指すため、ローマ帝国の血を受け継ぐイタリアに何度も「一緒にならないか」と声を掛け続けていた。しかし、ローマ帝国が大きくなり過ぎたためにどこかに消えてしまった過去を知っているイタリアはついに最後まで首を縦に振ることはなかった。
アメリカの再教育を受けながら復興に取り組む日本のもとへドイツがやってくる。「中国を追い抜いたように、アメリカも追い抜くつもりだろう」と話すドイツは日本に対し「また一緒にならないか」と持ち掛けるが「今は一からやり直したいのです」と断る日本。そこへイタリアが表れまた三人で集まろうとするが、現実に反し能天気なイタリアに対して「お前のせいで負けてしまったんだ」と言ってしまうドイツ。ショックを受け悔しがるイタリアはフランスからもらったワインでやけ酒をし、再び神聖ローマのことを思いだすのだった。
アメリカとロシアの冷戦に巻き込まれつつ復興を続ける日本のもとへ訪れたイタリアはプロイセンの日記を共に読み、二人はプロイセンとドイツがそっくりであることに気付く。同じくアメリカとロシアの冷戦に巻き込まれベルリンの壁で分断されかけていたドイツのもとへプロイセンの日記を持ったイタリアが表れるが「あんな兄の言うことは知らない」と見向きをしないドイツ。しかしイタリアが姿を消した後に日記を開くとそこには「自分と同じ失敗をしないように」と兄プロイセンがドイツに残した言葉が綴られていた。日記を読んだドイツに対しイタリアが「ただ居てくれるだけでいい」と呟くと、ドイツの目からは涙が溢れた。しかしその直後、イタリアが急に意識を失う。焦るドイツはイタリアを背負い「三人で花見をしようと約束したじゃないか!」と声を掛け続けるが、やっとたどり着いた日本の国土は焼け野原になっており花見は叶わず絶望するドイツ。しかし、その時突然イタリアが目を覚ます。「昼寝をしていた」と呑気なイタリアを目にし「無事でよかった」と安堵するドイツ。そして「お前のせいで負けたなんて言って悪かった」と謝罪をし、「お前は強い。本当の強さとは何度倒れても前向きでいられる心だ」と話す。日本は中国から教わった文化に倣い、七夕の短冊に願いを込める。時がたち、日本では満開の桜のもと世界会議が開かれた。イタリアの言った通り、日本、ドイツ、イタリア、そして他のみんなも一緒に花見をする願いが叶ったのだった。

感想

こうして見ると、国の歴史も人生のようですよね。
国とひとくくりにしてもそれを構成しているのは人間なのだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけれど、それでも長い歴史の中人が死んでは生まれていく中でこうして国の歴史や個性がしっかり人生なのってすごくないですか。そして、やはり歴史から得られる教訓はとてつもないと思いました。

今回は戦後の元枢軸国と、プロイセンの日記をもとにした神聖ローマ時代のストーリーが主軸でしたが、こうして見てもやっぱりイタリアとドイツの関係性とか、フランスとイギリスの因縁とか、どう見てもやっぱり人生に見える。おもしろ。いつもイタリアは神聖ローマのことが頭から離れないし、フランスはいつも「そこででてくるかお兄さん~~!」ってとこで顔突っ込んでくるし、イギリスはガキ大将だし、いつの時代も変わんないじゃんってなります。どの国もキャラ立ちしてる。

そして、日本開国&ドイツ統一&イタリア統一?が同時期だったのが運命的という話、なにそれ聞いてないロマンチック、と思いました。本当に面白いなあ。そうやって芽が出たばかりの三国が同盟を組み「世界の中心」を名乗って世界に挑み、そして大国を相手に散っていった……。こうして見るとあまりにも「青春」という文字が当てはまるのが、なんとも複雑な気持ちです。

ストーリーとしての感想はそんなかんじですが、今回涙したのは演者さんたちの情熱と絆ですよ……。歴史のお勉強内容は正直カーテンコールで全部吹っ飛びました。東京大千秋楽の公演を拝見したのですが、最後……最後……涙 きっとイタちゃんだけが知らなかったのでしょうね泣 泣いちゃうよねえ泣 いや~~~いいもの見せてもらいました。しんどい。ありがとう。

っていうか、イタちゃん役の方19才?!?!初演時は17歳?!?!信じられない、座長なんて大役して、すごいねえ。舞台の世界だとそういうこともあるのかな。お兄さん役の方やメリさん役の方がすっごいいい先輩なんだろうなというのを感じたりしてほっこりさせられました。そして本田さん役の植田さん(名前覚えた)、確かに「カンパニーの中で一番怖い」「背が低いのに態度でかい」は分かりますが、すごい好き、推せます。

アマプラで「ヘタリア」と検索するとその後のヘタミュ作品も出てくるし、最近役者さんのツイートで稽古始まった旨の投稿もあったからヘタミュはこの回以降も続いてるのだろうけど、この時はこれがラストと思って皆さん演じられていたのかと思うと、最後に演出家の方がスペイン親分の旗もって表れてくれてたのは会場にいたらめっちゃ泣けるよなあ……と鳥肌立ちました。ドイツ役の方が「俺とあいつで作ったドイツ」って話してたのも激アツでした。初代がチワワ似、二代目からがゴリラ似、と……( ..)φメモメモ

ということで、ヘタミュの別作品も楽しみなところですが、どうやら今回のシリーズの「大阪公演」もアマプラにあるみたいなので、もう一回花見してこようかなと思います……♪

追記:大阪千秋楽も拝見しました。毎回違うアドリブがあって本当にすごいし楽しい!冷戦()の件しんどい。そして2回目観てやっと歴史を理解できる気がします……。

いいなと思ったら応援しよう!